JICA海外協力隊の世界日記

ライフ・オブ・カリビアン

施設公開フォーラム(②背景説明編)

1学期間を通して行った、

施設公開フォーラムのプロジェクトについて書いています!

今回は「②背景説明編」です。

① きっかけ編 

② 背景説明編 ← 今回の記事

③ 準備編:意見集め

④ 準備編:骨子作り

⑤ 本番編

⑥ 振り返り編

女の子たちが「やりたい!」と言いだしたこと

「セントルシアの女性差別問題について世間に声を届かせたい!」

「世間に、私が悪いことじゃなくて良いことをしてるところを見てもらいたい!」

どうして、女の子たちがこんなことを言いだしたのか、

そこにはセントルシアの様々な問題が関わってきます。

会話のきっかけ。なぜ、こんなことを言いだしたのか?

この時期、セントルシアの中学生同士のポルノ動画が、

月1くらいの頻度で出回っていました。

中学校の制服を着て撮影され、出ているのは生徒たち。

内容は、1対1の時もあれば、複数の男子が1人の女子生徒を、

ということもあります。

トイレ、繁み、校庭、通学路、いたるところで撮影されます。

皆が知り合いのような小さな国なので、これがSNSで拡散され、

どこの学校の誰なのか、すぐに特定されて噂になります。

直近で聞いたケースは、男の子数人が女の子のバッグを取り上げて山に行き、

「バッグを返してほしければ従え」と言って、撮影したものでした。

それに憤る施設の女の子た

こうした、SNSを通じて国内に広まる動画。

男子は特に何も言われず、女子は世間のバッシングを受けます。

これらを日々、見聞きしている女の子たち。

こんな話になっていきます。

「どうして男子は良くて、女子はバッシングを受けるの?」

「私の女友達はそれで引きこもりみたいになった。」

「鬱になって、自殺未遂した女の子知ってる」

「生徒同士のレイプがあっても、転校させられるのは女の子」

「ポルノに出るのは、男子の勲章、女子の恥」

「どうして、女子はいつも見下されるの?」

「どうしてそもそも、女子もその状況を許すの?」

セントルシア全体の背景

ここからは、背景説明として、

私が2年間で見聞きした問題を書きたいと思います。

(私は専門家ではないので、あくまで見聞きしたこと)

レイプ事件の多さ

「女性に対する性暴力は、この国の文化と言ってよいほど頻繁に起きている」

と聞くことがあり、実際に私もセントルシアに住んでそれを感じます。

性犯罪の発生率は日本の24倍(2016年・外務省HP)。

裁判費用が払えなかったり、逆恨みへの恐怖で泣き寝入りする人が大半なので、

この数字は本当に氷山の一角だと思います。

こうしたことが明るみに出にくい、というのは世界共通だと思いますが。

私の生徒では、複数の男性からのレイプ未遂被害を警察に訴えたら、

逆恨みで放火され、自宅が全焼したこともありました。

近所の男性にレイプされ12歳で妊娠した少女について、

私の知り合いはこんなことを言っていました。

可哀想だけど仕方ないわ。受け止めるしかない。

母親も中絶はさせないみたいだしね。(宗教上の理由)

※中絶は原則禁止。こっそりやってくれる丘の上の医者がいるという噂。

私の娘も、レイプによる妊娠で子供を産んで養子に出したわ。

私の姉も、13歳の時に知り合いの近所の男にレイプされて子供を産んだ。

彼女は優秀だったのに、それで学校にも行けなくなり、

全く別の人生を歩むことになってしまった。

この国の文化と言ってよいほど、こうしたことは頻繁にあるのよ。

私はこの事実に、心から怒っているけれど。

家庭内での性的暴行

アメリカ国務省の国別人権実情報告書には、セントルシアについて、「子供をレイプした男性が、その母親にお金を払ってもみ消すことが頻繁に起きている」と特筆されています。

セントルシア統計局の調査(2004)によると、

42%の子供がシングルマザーと暮らしているとのこと。

(日本は7%(2013年・厚生労働省))

体感的には、もっと多いです。

日本でもこうしたことは起きていますが、

セントルシアの問題も非常に根深く思います。

兄弟10人、お父さんはバラバラ。

長女の父親が次女に性的暴行を加えているけれど、

母親は長女の父親に金銭的援助を受けているため黙認。

こうしたことが頻繁にあると聞きます。

生徒だけでなく私の女友達(セントルシアでは中上流階級)の間でも、

こんな会話が普通です。

「父親と2人暮らしなんて絶対嫌。何されるかわかんない。」

「兄弟何人かわかんない。父親が他にも家庭作ってたから。」

「私は父親と同居してるけど、父親の彼女が私より若いの。嫌だわ。」

「父親から今日突然電話がきた!養育費全く支払わず会った覚えもないのに。どうやって電話番号知ったんだろう。絶対会いたくないわぁ、肝臓とられるかも!」

音楽の歌詞やPVは、女性を性的対象のみとして扱ったも

セントルシアの歌手が歌う曲といえば、

「腰を反らせて、お尻を振って~」みたいな歌詞ばかりなのです。

初めてPVを見た人は、びっくりすると思います。

お尻を振る女性たちに囲まれて男性歌手が歌う。

これは文化的なものもあるかと思いますが、

「これが若者に大変な悪影響を与えているのよ!!」

と問題視している教師も沢山います。

労働市場での女性活躍は盛ん

こうした状況もありますが、

労働市場では非常に女性が活躍している現実もあります。

セントルシアの女性管理職登用率は53%。世界3位です。

ちなみに日本は11%。

(2015・International Laboour Organization)

女性だからといって制限を受けることが少なく、

非常に仕事がしやすい国でもあります。

(私が2年間で感じた印象)

歴史的背

なぜ、セントルシアでは以下の事実があるのか。

・労働現場で女性が活躍

・父親と母親の揃った家庭が少ない

・女性に対する暴力が多い

これらには、歴史的背景が絡んでいると多くの人が言います。

奴隷貿易時代に、アフリカから半ば誘拐のような形で連れてこられた人々。

家族制度という文化はなく、全員働くのが基本。

人間扱いされない環境、過酷な労働で奴隷の平均寿命は短く、

次々とアフリカから連れてくる仕組み。

女性は男性にとって性の対象とされるだけのこともある、無法地帯だったとのこと。

まとめ

私はジェンダーや歴史の専門家でもないので、

あくまで上記は2年間で見聞きしたことです!

次の記事では、こうした課題をどんな風に女の子たちが

掘り下げて行ったのか、「準備編」を書きたいと思います!

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