ライフ・オブ・カリビアン(三浦隊員は帰国しました。)

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三浦 真依子
東京都

タイプ/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
中南米
セントルシア カストリーズ市
一言メッセージ
2016年10月から、カリブ海・日本から一番遠い島国セントルシアに来ています。10代の少女たちを対象とした保護更生施設で活動しています。

 

施設公開フォーラム(③準備編:意見集め)

2019.05.22

少女自立支援施設での活動

1学期間を通して行った、

施設公開フォーラムのプロジェクトについて書いています!

今回は「③準備編:意見集め」です。

① きっかけ編 

② 背景説明編 

③ 準備編:意見集め ← 今回の記事

④ 準備編:議論の組み立て

⑤ 本番編

⑥ 振り返り編

イベントの枠組み

「セントルシアの女性差別問題について、世間に声を届かせたい!」

女の子たちの、そんな思いから始まったプロジェクト。

どんなことをやりたいか、活発に話し合う女の子たち。

「世間に声を届かせたい!」

「どうやって?」

「ディベートは?」

「ディベート対決!学校対抗でやりたい!」

「テレビとかも呼ぼうよ。」

「みんなに、私が、悪いことじゃなくて良いことしてるところを見てもらいたい。」

と、いうことで当日はディベート方式で

ジェンダーのテーマを掘り下げることにしました。

担当は、私、現地の先生、現地ボランティア、の3人です。

ディベートのテーマ

以下の観点から、ジェンダー問題を掘り下げることにしました。

ディベートの「論題」がこちら。

私たちの文化では、

男性・男子は、複数の性的パートナーを持って良い。

しかし、女性・女子が複数の性的パートナーを持つことはよくない。

(私や現地の担当の先生もディベート指導は初めて。勉強しました。)

まず、ざっくらばんに意見交換

ペアワークで、思ったことを書きだしていきます。

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「この国では、男性は強制的に女性と性交渉しようとする。その結果、女性は妊娠してしまう。」

「男性・男子は、沢山の女性と性的関係を持ったり、動画を撮ることで、注目される。」

「複数の性的パートナーを持つ男性は“遊び人”“チャラ男”で終わる。でも、女性が同じことをすると侮辱の対象になる。」

「セントルシアの多くの女性(85%くらい)は、男性が女性より上だと思ってる。多くの女性は仕事がなくて、男性にお金をもらったり、物を買ってもらったりする」

(※以前の記事でセントルシアの女性管理職登用率が53%と書きました。ただ、こうした現実もまた、少女たちが身近で感じている事実です。)

「どうして男性は女性を利用していいと思っているのか。」

「どうして私たち女性はすぐに体を許してしまうのか。時には誰にでも。」

「どうして私たち女子は、若くして性交して妊娠してもどうにかなると思ってしまうのか?」

少女たちの年齢は12歳~16歳です。

(日本よりもこういう会話はとてもオープンです。)

施設内でインタビュー

インタビューシートを使って、

このテーマについてどう考えるか、

施設職員をインタビューしにまわります。

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家庭科の先生。

「私たちのルーツであるアフリカの文化では、男性が複数の女性と性的関係を持っていいから、それが今でも続いているんだと思う。」

「女性については、聖書の中に夫以外の男性と関係を持ってはいけないって書いてあるわね。“複数の男性と性的関係を持つことは姦通”って。」

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工芸の先生。

「それは事実ね。男が何人も性的パートナーを持っていても何も言われないけれど、女性が同じことをすると、“汚い女”といった風に侮辱を受ける。」

事務の職員。

「それは良くない風習よね。男性も女性も複数の性的パートナーを持つべきではない。性感染症が広まるし、子供の父親が誰かわからなくなるし。」

コミュニケーションの練習にもなります。

職員と少女の間でのこんなやりとりも、こっそり見受けられました。

少女:〇〇について、どう思いますか?

職員:それはよくないわね。

少女:………。

職員:こういう時は、相手に質問して情報を聞きだすのよ。「どうして良くないと思うんですか?」とか、聞きなさい。

少女:どうして良くないと思うんですか?

職員:なぜかと言うと……

インタビューは毎回のプロジェクトで行っているので、

少女たちも、堂々と慣れてきた印象があります。

街頭インタビュー

施設内での練習を踏まえて、

今度はいよいよ街に出てインタビュー!

インタビュー相手の性別・年齢がばらけるよう、

工夫したインタビューシートを作ります。

勇気を出して道行く人を引き留め、インタビューをします。

私たちの文化では、

男性・男子は、複数の性的パートナーを持って良い。

しかし、女性・女子が複数の性的パートナーを持つことはよくない。

こんな風に見受けられます。

これについて、どう思いますか?

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・男は、沢山性的パートナーがいると、魅力的ってかんじで有名になれるからね。でもたしかに、女が同じことすると「汚い女」とか言われるよね。(20代男性)

・その文化は、奴隷時代の名残だね。 奴隷時代、女性は性の対象としてのみとして見られていた。 体力のある男が種付け的な役割で女性たちのもとに送られたりもした。それが、祖父、父、自分、と受け継がれている。(40代男性)

・奴隷時代、権力の象徴である白人農園主は、威張っていて、誰とでも性的関係を持ってよかった。今でも、「沢山の女性を持つこと=権力があること」の象徴になっているんじゃないかしら。(60代女性)

・昔は、女性は家にいて掃除や洗濯や子供の世話をして、男性が働いていたからね。男性が女性よりも力を持っていた。 (50代女性)

・女性も、もし男性が金銭的に援助してくれないんだったら、子供を養うために複数の性的パートナーを持ってもいいと思う。(30代女性)

・男性が複数の性的パートナーを持つ文化はよくないね。性感染症が広がる。(30代女性)

色んな意見が出ます。

勇気を出して行った街頭インタビュー!

後日、頑張った女の子たちのことを副所長に報告すると、

「みんな頑張ってすごい!ご褒美の価値があるわ!」と、

女の子たちを呼んで褒めてケーキをくれました。素敵!

この後は、いよいよチームに分かれて

ディベートのための議論を組み立てていきます。