JICA海外協力隊の世界日記

みやたかの太陽とガーナと、

先生と生徒の「太陽光学習の差」

さて、ガーナでの活動の話の続きをしましょう。

前々回の更新は先生が参加してくれる6月末のソーラークラブ(太陽電池授業のリハーサル)についてでしたね。

その説明の前に先生達への太陽電池講義の出席状況についてお話ししましょう。

この図は、横に講義日数、縦に先生方の参加人数を取ってグラフにしたものなのですが

授業後1時間の講義を続けていった結果、最終的に2人の若い先生しか残らない結果になってしまいました。

(そして2人の勉強している写真を撮っても仕方ないと思い写真も撮っていません。)


正直、これには困りました。

何せ、もともと先生方は

「太陽電池コースを学校で開きたい、だからアシストしてほしい!」

と言っていたはずなのに...

「授業後は疲れる」等の理由で次第に僕の講義に出て来なくなり...

結局、残ったのは若い先生2人。

これでは活動期間2年で太陽電池コース設立なんて机上の空論、夢の話です。

150909-01.jpg


そんな話を彼ら2人にすると、

「放っておけばいいよ、彼らは真剣でないのだから。」

との返事。

校長のベンさんからは

「与えられた機会を使うかはその人次第、結局は選択した結果。」

とも聞き、

まぁいろいろ考えてばっかりでも先に進まないので

「とりあえずは仕方ないか。」と思うことに。

ということで、僕の講義はいったん終了し

彼ら2人にソーラークラブとして、授業をさせてみることにしました。


150909-03.jpg

といっても、以前ここでお話しさせて頂いた通り

独りよがりな授業では生徒が付いてこれないおそれもあったので、

アンケートを取って、生徒達の興味を確認し、

その結果をもとに授業の内容を考えることにしました。

(写真では5日間となってますが、このときは「たった2人だし自信づけは5日で十分だろう」と考えていました。)


0614-07.jpg

そして、この2人の先生の協力で、電子科の生徒252人中130人から回答を得ることができました。

「太陽電池学習に興味があるか?」と聞いたところなんと96%の生徒があると回答。

そして「それはなぜ?」と聞くと

「ガーナの停電事情を太陽電池で改善したい」

「太陽電池にかかわる仕事がしたい」

「電気代を払わなくて済むようになる」

といろいろな回答がありました。以下にスキャンしたアンケートを例として載せておきます。

150909-04.jpg

また、興味ある科目について聞いた結果、上位から

電子工学50%、電気法則30%、実習11%という結果でした。

(聞きなれない単語とは思いますが、電気回路、公式、実験と思ってOKです。)


ほぼ全員が太陽電池を勉強したいというのが本当にビックリでした。

でも、生徒252人に対し先生はたった2人。さて一体どうしたものか。

150909-05.jpg

「まぁ部屋の大きさで授業の行き届く範囲もあるし、

いきなり252人全員は無理だなぁ。

まず思い切って10数人、12人にしよう。

じゃあその生徒たちはどう選ぶの?いつから、何時にする?」等、

3人で色々考えました。

・各クラス計6クラスで賢い生徒を2人ずつ選んで12人にしよう。

・ランチタイム後の午後3時半からにしよう。

(ランチタイムは授業後2時45分からなのです。)

・皆、初心者だからもう少し日程を延ばして丁寧に教えよう。

という感じで。


「ほんとうに生徒は来てくれるのかなぁ。口だけじゃないのかなぁ。」

そんな不安もありましたが、彼らの

「生徒達にはちゃんと声をかけてあるから必ず来るよ」

という彼らの返事に安心し、その当日。

150909-06.jpg

選ばれた生徒達は確かに全員やって来たのです。

そして記念すべき第1回ソーラークラブが始まりました。

果たして、生徒たちはちゃんと出席し続けてくれたのか。

その結果はまた次回の更新にて。

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