JICA海外協力隊の世界日記

Mori先生のLet's go! ヤップ島!

エアポートで会おうよ!

「モリセンセー! Wait!! Wait!! 今から空港に行くからな!」

空港のカウンターで携帯電話が鳴りました。声の主は同僚のラリーさん。彼とはこの2年、苦楽を共にした親友であり兄弟と呼べる間柄。

そう昨夜、ヤップでの最後の夜の事でした。

ヤップを発着する飛行機は、小型機を除いて週二回の深夜便のみ。ユナイテッド航空便唯一の行先は米領グアムです。

ラリーさんは夜遅くに、私のために花の首飾りと冠を届けて下さったのです。ヤップ島での最後は感動…

思えばヤップ最終日は、皆さんの温かさに改めて気づいた一日でした。

朝、職場に行くと

「今日、昼はスモールパーティーな!」「レストラン予約したよ!」

と皆さんが口をそろえて言っていました。

ここ最近、職員の中に出張で海外に行っている人がいたり、私は帰国の準備をしていたりと、あまり皆さんと話す機会がなかったのです。

帰国日の話を職場でしたのもずいぶん前だったので、「みなさんは覚えていないかもな」と内心考えていました。

(普段の約束は、ぼ~んやり…とだけ記憶する人が多い印象なので。でも決してヤップの人たちに悪気はないはずです!)

本当にうれしいサプライズでした。

事務職員の方は、私のためにチョコレートケーキを焼いてきて下さりました。彼女はフィリピン人で、互いの郷里の話を何度もしたなと思い出します。

大変、家族・友達想いな方で、この日、私のために祈って下さったことは、私の胸を深く打ちました。

みなさん仕事がある中で私のために集まって下さったという事。

当たり前の事ではありません。

ここヤップでの2年は、こうした優しい人たちに支えられ、助けられた日々だったのです。

思い通りにいかない事だらけで、愚痴をこぼす事もありました。

ヤップの伝統や慣習がなかなか理解できず、物事が進まないことでイライラすることもありました。

でも見守ってくれている人たちの存在に気が付いたこの日、いろんな事が報われた気がしました。

「日本は…大阪は…台風被害は大丈夫?」「またヤップに来てくれ!」「今度はお前のために家を建ててやるよ」

と涙を流しながら言って下さる人もいました。

心は通じ合うのだと確信しました。

故郷が一つ増えました。

さあ夜も更けてきました。

これまでいろんな相談をし合ったヤップの日本人仲間にも見送ってもらいました。次の日も仕事がある中で私のために、時間を作ってくれたことを決して忘れません。

ここでの経験は絶対に無駄にはしません。心細い人に寄り添える存在、そうなると決めて飛行機を待ちます。

さあ搭乗! 夜風に揺れるヤシの木の下を歩いてタラップに向かいます。

ここからの1週間は約2000㎞離れたポンペイ島、ミクロネシア連邦の首都とその近くで過ごして日本に戻ります。

また会いましょうね、ヤップ島で

これまで本ブログを読んで下さった皆様

今回の記事が本ブログ最終稿となります。

拙い文章ですみませんでした。

ここからヤップの事や青年海外協力隊のことなど、少しでも知っていただけたとしたら筆者として幸せです。

今まで本当にありがとうございました。

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