2019/02/05 Tue
ラグビー 活動
1年を振り返って
新年あけましておめでとうございます。
マダガスカルで活動開始してから1年経過したので、今回は少し振り返ってみたいと思います。
2017年の11月頃にマダガスカルラグビー連盟に配属されました。
最初の約2ヶ月はなかなか本格的な活動が始まらず、ラグビーの試合を観戦したり、少しラグビーしたりとマダガスカルラグビーに触れるぐらいでした。
2018年の2月頃から7人制ラグビーの指導の機会を頂きました。
率直な感想で、私の知る限りの他国のラグビー隊員事情と比較すると、マダガスカルは結構恵まれていると感じています。
マダガスカルラグビー連盟は非常に熱心であり、国内においてもラグビー人気は高いと感じます。
連盟所有のスタジアムがあり、スタジアム横には宿泊可能な建物が完成しつつあります。
国内のラグビー事情についても、街中でラグビーをしているところを見かけることもあります。
※写真の建物が宿泊施設です
数字だけ見るとアフリカでは、南アフリカに次いで競技人口は多いようです。
特にマダガスカルはラグビー発展途上国でありますが、女性選手が多いと感じます。今年はユースオリンピックがありましたが、連盟は女性U-18を結成しアフリカ予選に参加していました。
10年程前、日本では女性選手の練習環境はほとんどなかったようで、女子高校生の選手は男子高校生と一緒に練習していました。それも高校男子チームに女子高生が1人で参加という感じでした。
現在主な活動としてはマダガスカル女性7人制代表の指導をしています。
最初は、競技経験のない7人制の指導ということでネット、書籍で7人制ラグビーを勉強しました。
次に苦労したことは選手のレベルを知ることだと感じます。
試合や練習を見て、足りないと感じた部分を補完するための練習をしても、満足いく練習レベルにならなくて、さらに戻って基礎から練習の繰り返し。
現在は大きな国際大会が直近にないため、有志による練習会を実施しています。
また、活発ではないですが地方へ巡回し、指導者への練習メニュー提案を行います。
1年間活動して感じたことはラグビーへの熱は感じることが多いこと。
カウンターパートと呼ばれる、一緒に活動計画を考える同僚からはラグビーへの熱い思いを感じます。なので、彼とは自然とマダガスカルラグビーについて話すことが多くなります。
個人的にマダガスカルに必要だと感じる要素を話すと、彼自身もそう考えているとは言います。彼の役割は代表の組織であるため、現場では別の人がコーチをしています。
2019年1月から女性代表は活動が始まる予定のため、上旬に候補選手、各チームのコーチに簡単な活動計画を話す機会を設けて頂きました。
また、最近思うことはどこまで踏み込むのかということ。
現在、女性選手が練習している横でU-20男性が練習をしています。
基本的にU-20へは全く携わっていない為、アドバイスは求められた時のみするようにしています。
ラグビーはセットプレーと呼ばれるスクラム、ラインアウトが大切だと考えていますが、マダガスカルではほとんど練習しません。例えば求められたとき「スクラム、ラインアウトを練習した方が良いよ」とは言いますが、全くしません。理由を聞いても今は必要ではないとの答えが返ってきます。
連盟の目標はオリンピックとワールドカップ出場です。一部の人からはラグビーへの思いを感じるため、少しでも力になりたいと考えています。
しかし、上記の様な携わっていないカテゴリーも、現地人コーチも考えがある中で練習を組んでいるのに、彼らの練習計画を無視し、私が踏み込むというのは本当に良いのか感じます。
最後に。
マダガスカルで活動をして、ラグビー普及には情熱だけでは解決できない問題が多くあると感じました。特に資金、ラグビーボールといった道具、練習時間の確保です。
赴任当初は連盟が所有していたボールは5球。それも使い過ぎて日本では誰も使わない状態のボール。
出身大学やフランスでお世話になったチームからラグビーボールの寄付。
さらに最近は、ヤマハ様からマダガスカルで事業を行うということで、ラグビーボールを頂きました。大変ありがたく、今後のご支援についても考えてくださっているようです。
※写真の彼女は毎回遅刻ですが必ず練習会に来てくれます。最初はパスも満足に出来ませんでしたが、パスは上達しました。
最近は週末に女性の試合があるため、参加者が彼女1人ということもあります。練習メニューが限定されますが、丁寧に1から教えられるかなとは感じます。
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