子連れジャマイカ滞在日記

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フィネルップ 尚子
富山県

タイプ/職種
シニア海外ボランティア
日本語教育
派遣国
中南米
ジャマイカ キングストン市
一言メッセージ
9歳の娘を連れてジャマイカに赴任し、大学で日本語を教えています。人手もお金も足りない大学で、安く効率的に日本語を学ぶ方法を模索しています。

 

アニマルセラピー

2019.08.22

文化 生活

 カフェでスケッチをしていると、当然のごとく、野良猫がスケッチの上に乗ってきました。ここは家から歩いて3分の、デボンハウスの中庭。デボンハウスは、ジャマイカ初の黒人億万長者、ジョージ・スティーベルが19世紀に建てた豪邸で、今は歴史的建造物として無料公開されています。中庭には、美味しいレストランやカフェやアイスクリームショップがあり、この中庭で、何匹かの野良猫が、落ちている食べ物を控えめに食べながら暮らしています。美味しいものを食べて、脳からハッピーホルモンを分泌させているからでしょうか。このように、警戒心ゼロ。常に喉をゴロゴロ鳴らして、幸せオーラを放っています。

 先日の週末旅行で泊まった宿の番犬、サマンサ。昼間はこのように人懐こい笑顔で迎えてくれますが、夜は眼光鋭い番犬に豹変。夜に庭を散歩中、迷っていると、サマンサに怪訝な顔で見られてしまいました。でも、「サマンサ!」と呼ぶと、ちゃんと「さっきの宿泊客だ」と気付いて、見逃してくれました。ジャマイカには番犬が多く、サマンサのように、昼は愛嬌いっぱいの家族の一員、夜は獰猛な番犬と、昼と夜で別の顔をもつ犬も珍しくありません。ハイテクなセキュリティー機器も普及していますが、誤作動が多いセキュリティー機器よりも、昔ながらの番犬の方が信頼できるのでしょうか。そういえば、娘の学校にも夜7時に番犬サービス会社から番犬がやって来ていたのですが、部活帰りなどの校内にいる子どもに吠えることはなく、外からの侵入者をしっかり見張っていました。

 マルーン博物館にいたヤギと見つめあう娘。ブルーマウンテンの中にあるマルーン博物館では、自由を求めて山に逃げ込み、英雄的にイギリスと闘った逃亡奴隷、マルーンの実際の生活を見せてもらえます。ブルーマウンテンは、多種多様な動植物の宝庫である自然遺産としてだけでなく、マルーン文化が根付いた文化遺産として、世界遺産として登録されています。今でもマルーンコニュニティーで、ヤギを育てたり、畑で野菜を育てたりして、昔ながらの生活を守りながら、兼業農家として暮らすマルーン。この日、見学の予約を入れた私たちのために、建築現場での仕事を休んでダンスを教えに来てくれたダンサーや、小学生週末ダンサーたち。彼らとマルーンダンスに興じていた私たちを、遠くからヤギと一緒に見ていた娘。ジャマイカでは、ネズミを退治するために持ち込まれたマングースに多くの動物が絶滅に追いやられたそうですが、その首都、渋滞の激しいキングストンで、時間に追われて暮らしていると、日常的に触れ合うことのできる動物は、犬や猫のペットに限られます。遠出しても、人の生活圏内にいるのは、このように、せいぜい家畜ぐらい。それでも、こういった見慣れた動物をしばらく見つめているだけで、何週間分もの疲れが癒やされます。