2016/05/14 Sat
活動
みんなあのね、「くじらがやぼいを食べるよ」


セネガルの幼稚園には、玩具が少ない。
自由遊びの時間には、走り回るか、座ってぼーっとするか、
遊びの幅が狭く感じる。
遊びながらたくさんのことを学んでほしいと思うし、
たくさんのことを感じてほしいとも思う。
そこで、大人のホビークラブでの玩具作りを提案してみた。
とは言っても、特に具体的なアイディアもなく、
「う~ん」と「どうしようか」を先生方と言い合って、
ホビークラブ、終了。
他隊員の話を聞いたり、インターネットで調べたりして、
「先人の知恵を借りることに!」
一つ目は、昔遊びの「缶ぽっくり」
この缶ぽっくり、名前が思い出せずにインターネットで調べたのだけれど、
缶ぽっくりというらしい。
地域によって呼ばれ方も変わるのかもしれないが、缶ぽっくり。
セネガルは、とにかく砂ばかり。
私の任地のサンルイは、サヘルの境界に位置しているため、
サハラの細かい砂が砂嵐のように舞うこともある。
細かい砂の地面で缶ぽっくりをすることは難しいので、
教室内で行うことに。
最初は両足を缶に乗せることを怖がる子どももいたけれど、
慣れてくると上手に乗せることができ、
そして、一歩一歩少しずつ歩けるようになると笑顔になる。
缶が床を蹴るたびに鳴る「カン、カン、カン」という音が懐かしい。
「1、2、1、2」と合の手を入れるのは、世界共通なのかもしれない。
缶ぽっくりに乗る子どもを応援する子どもの表情も素敵だ。
そして、子どもたちを見守るように微笑む先生の表情も私は好きだ。
二つ目も、昔遊びの「けん玉」。
これも大人のホビークラブで先生方と作ってみた。
ペットボトル、ひも、段ボールの廃材を使っての制作。
ペットボトルは大きな魚(私はくじらに見えるけれど)、
段ボールは小さな魚(先生方はやぼい(セネガルで頻繁に食べられる小魚)に見えるらしいけど)、
に見立てて、大きい魚が小さい魚を食べたら成功だ。
けん玉は、子どもたちにとっても、先生方にとっても
それはそれは難易度が高かったらしく、ブーイングの嵐。
ひもの長さを調節しても
なかなか大きい魚が小さい魚を食べてくれない。
それでも「楽しかった」と子どもたちが言ってくれたので、
けん玉も成功としていいでしょう。


よく遊び、良く学べ!と、思う。
子どもが遊びを楽しむ力、なにかに夢中になる力は、
夢を追いかけるときに助けになってくれると思う。
だからこそ、たくさん遊んでほしいともう。
夢中になってほしいと思う。
町には、子どもたちの描いたポスターが飾られ、
開催中のARTEXPOでも、子どもたちの作品が飾られ、
私は町が歩くのが楽しい。
子どもたちや保護者の方、先生方、
地域の人々も同じ気持ちだとうれしいな。
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