JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「人がうまれる奇跡」

「ンゲンテという命名式に行って来た。」

と言うと、他人事のような気もするけれど、

私のセネガルでの妹のンゲンテである。

前の日から私は家族のもとへ駆けつけ、

ンゲンテの準備のお手伝いをした。

買い出しへ行ったり、家の掃除をしたり、

ンゲンテ当日の料理の下準備をしたりした。

赤ちゃんが生まれて1週間後に行われるンゲンテ。

赤ちゃんは髪の毛をすべて剃り、眉毛を太くしっかりと書き、

ンゲンテを迎える。

家族はンゲンテのために新しい服を仕立てる。

布屋さんへ行って布を買い、仕立て屋さんへそれを持っていく。

日本の結婚式のお色直しのように、

途中で着替えることもある。

ちなみに、私のセネガルでの母ナフィは、2着仕立てた。

弟のパパも2着仕立てた。

ンゲンテには、家族や親せき、地域の人、家族の友人や同僚、

たくさんの人が集まる。

一人の赤ちゃんの誕生を祝うために、遠方から駆けつける人もいる。

ンゲンテの朝にはラーハを食べる。

ラーハとは、

クスクスとも呼ばれるチェレヨーグルトソースをかけたもの。

お昼ご飯には、チェブ・ヤップを食べる。

これは、ご飯に羊の肉や玉ねぎのソースがかけられたもので、

セネガルでは、お祝いのときによく食べられる。

羊も 1 頭、この日のためにさばかれる。

ご飯の用意の間、親戚や友だちが順番に赤ちゃんのもとへ行って、

お母さんたちにあいさつしたり、

参加している人同士で話に花を咲かせていた。

食事を終えたら、

かけがえのない命が生まれた喜びを分かち合うように、

未来が明るいものであるようにと希望を分かち合うように、

お母さんも、ンゲンテに参加した人も踊る。

セネガルの太鼓の独特のリズムに合わせ、

日が暮れても踊り続けていた。

ンゲンテで発表された赤ちゃんの名前は、セイノブ。

私の妹は、セイノブ。

どうぞ、よろしくね。

ユニセフの報告しているデータでは、

https://www.unicef.org/publications/files/APR_2015_9_Sep_15.pdf

2015年時点で、セネガルの5歳未満の乳幼児死亡率は、

1000人当たり47人で、193カ国中49位。

日本の5歳未満の乳幼児死亡率は、

1000人当たり3人で、193カ国中182位。

ひとつの命が誕生するということは、とても奇跡的なのかもしれない。

セネガルでは流産を経験している女性も多いと聞く。

私の大好きな弟はパパ。

大好きな妹はシルビと、新しく生まれてきてくれたセイノブ。

4人兄弟になった。

そして、親戚をきょうだいと呼ぶならば、

何人兄弟かわからなくなる。

どうか、健やかに育ちますように。

あたたかな未来が待っていますように。

生まれてきたセイノブだけでなく、

きょうだいのひとりひとりがいつまでも笑顔でいられますように。

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