JICA海外協力隊の世界日記

薬剤師のウガンダ秘境滞在日記

ムベンデ地域中核病院

 ウガンダ北西部にあるムベンデ県ムベンデ地域中核病院では看護師隊員が院内の5Sと産科病棟の感染症対策に取り組んでいます。

 特に手術室や病棟で積極的に5Sを進めており、昨年の5Sコンペティションでは2位の病院でした。

 しかし薬局では「5Sは看護師を中心にやるもの」という認識が強く、消極的でした。

 そこで「ウガンダに一人しかいない薬剤師隊員」が来て「薬局の環境改善をしよう!」と提案したら、薬局スタッフのモチベーション向上につながるのではないかと看護師隊員と企画し、ムベンデ病院に来訪しました。

 上の写真のように、ムベンデ病院は日本からの無償資金協力援助で立派な手術棟と外来棟が建設されており、薬局はその外来棟の中にありました。

 上の写真は、私が乱雑に置かれていた調剤室の棚の薬剤配置を考えているところです。

 解熱剤や抗生物質など処方数の多い薬剤を取りやすい位置に置くように工夫しています。配置を決めた後に薬剤ラベルを貼ります。

 薬局内の薬剤ストアでは棚に1~8の番号が振られていましたが…、それぞれの棚の中を確認すると番号と配置されている薬剤には何の規則性がなく保管されていました。

 そこで、1番の棚には目薬、2番には抗マラリア薬、3番には抗生物質、4番には解熱鎮痛剤というように薬効別になるように配置しなおしました。

 ウガンダ保健省はアルファベット順又は薬効順のいずれかで薬を管理するように推奨しています。日本も薬局によって名前順または薬効順で薬を管理しています。

 双方の配列方法にメリットとデメリットがあるのですが、カプチョルワ県の薬局の経験から私は薬効で分類することを勧めています。

 理由は、抗生物質や解熱鎮痛剤などよく処方される薬剤を使いやすい棚に置けること。そして、納品される薬剤の種類が変わった時に棚の配置を変更しやすことです。

 ウガンダの商店では値札や商品名はついていません。薬局も同様で、新しい在庫はとりあえず適当な位置に置いてしまいがちです。そうすると病院で扱う薬剤が在庫切れになったり、種類が増えたりと変化した場合に、アルファベット順より薬効別の方が管理しやすくなります。

 このように薬剤師隊員の視点から薬局の5Sを行いました!

 終わったあと、薬局のスタッフは「薬が探しやすくなった!」ととても喜んでくれました。

 そして、外来薬局長から彼の末の娘と同じ「ナムリ」という現地語の名前をもらいました。また、カプチョルワ(私の任地)に戻ってから5Sマネージャーも感謝していたと話しを聞き、短い来訪期間でしたが、薬局スタッフや5Sマネージャーの刺激になったようで嬉しいです。

 ムベンデ病院内のNICU(新生児集中治療室)、歯医者、救急外来などカプチョルワ病院にはない大きな施設を見学させてもらい、私にとっても貴重な経験となりました。

 最後まで読んでいただいてありがとうございます。

 ウェバレ ニョ!(ムベンデで話されているルガンダ語で「ありがとう」の意味)

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