JICA海外協力隊の世界日記

ペルー国立自然保護区での2年間

おまけ~センス・オブ・ワンダー~

こんにちは、尾崎です。

今回は、本の紹介です。前々から、ずっと紹介したかったのです。

みなさまは、「センス・オブ・ワンダー」という本をご存知ですか?

著書は、レイチェル・カーソン

「沈黙の春」の作者でもあり、環境問題を世に広めた生物学者。

レイチェルが幼い子どもと一緒に自然を探索した体験をもとに書かれたエッセイで、子どもたちと自然の中に出かけ、神秘さや不思議さに目をみはる感性を育み、分かち合うことの大切さを伝えています。

以下、文中の印象に残った部分を引用します。

―――――――――――――――――――――――――――

>子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になる前に澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

>もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を授けてほしいとたのむでしょう。

 この感性は、やがて大人になるとやってくる怠慢と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。

もし、あなた自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。

 たとえば、こどもといっしょに空を見あげてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。

>「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。

――――――――――――――――――

もちろん、任地にも持って来ており、

ときおり読み返しては

「子供たちにセンス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目をみはる感性)を養ってもらうには、どうしらたらいいのだろうか。」

などと、考えたり、反省したりしています。

私はこの2年間、パラカスの自然と向き合って働いてきました。

毎日、新しい発見をできたり、勉強したり。

自然の神秘に感動したり。

まだまだ、知り尽くすことができません。

毎日朝から晩まで、オフィスでパソコンをカタカタしている同僚も、

野外に出て自然や生き物たちと向き合うときは、

目の輝きや、生き生き感がまったく違います。

自然の魅力を伝える普及啓発の仕事において、

私の持論ですが、まず自分自身が、自然に対して興味を持ったり、感動したりすることが大事なのではないかなと思います。

自分自身が感動しないと、他人の心を動かすことはできませんからね。

一人でも多くの人に、この感性をもってもらって、

自然に優しくできる人が増えたらいいなと思います。

おざき

P.S

この本は、様々な書店で見かけることができます。

薄いので、簡単に読むことができますし、

なにより文章表現がとても豊かで、世界観に魅了されると思います。

ぜひとも一度、読んでみてください。

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