JICA海外協力隊の世界日記

ジャマイカよ、めざせコミュニティ防災 2016-2018

ジャマイカのハリケーン

JICAジャマイカの安全対策協議会にて「ジャマイカのハリケーン」というタイトルでプレゼンテーションをさせていただきました。

青年海外協力隊の隊員だけでなく、シニア海外ボランティアやJICAジャマイカ事務所のスタッフさんも合わせて30名以上の方に、ジャマイカのハリケーンをめぐる状況について、理解を深めていただくことができました。

JICAジャマイカでは、年に2回、すべてのボランティアを対象に安全対策協議会を実施しています。

これまでは受講者として在ジャマイカ日本大使館の方が説明してくださる治安情勢に目を丸くするばかりだったのですが、6月上旬に行われた2017年度前期の安全対策協議会では、他の防災・災害対策隊員と一緒にハリケーンについてプレゼンテーションを実施する機会をいただきました。

私が担当した部分では、①台風との違い、②ハリケーンができる仕組み、そして、③過去にジャマイカを襲ったハリケーンの進路の3つの点を紹介しました。

ジャマイカは東からも西からも、そしてときには南からもハリケーンが近づいてくる場所に位置しており、直近30年程度の間にハリケーンの縦断と横断の両方を経験しています。

残されている記録を引用しつつ、ハリケーンが強さを増す様子や、ハリケーンの進行方向の右側で被害が強い旨を図解入りで説明したところ、思いがけず好評を博しました。

ある協力隊員からは「まるでハリケーンをテーマにしたテレビの教育番組のようだった」というコメントをいただくことができました。

「ハリケーンがジャマイカに接近した場合、JICAボランティアは基本的に首都の隊員連絡所に避難することになっているが、万一避難できなかった場合に備えてジャマイカの避難所事情を紹介してほしい」

プレゼンテーションを実施するのに際して、JICAジャマイカのボランティア調整員さんから上記のようなリクエストをいただいていました。

私が普段の活動を通して把握できる限りでは、災害時に避難所の状況を効率的に把握するためのやり方と、必要に応じて避難所に緊急支援物資を届ける段取りに改善の余地があると感じていたので、その部分に触れつつ、避難所で起こりうることについて口頭で簡単に紹介しました。

避難所の運営に関わる業務はいくつかの機関に責任が分かれており、災害時には調整の難易度が高いと考えられます。

これはジャマイカだけの問題ではなく、日本でも災害が起こる度にしばしば取り上げられる問題です。

最悪の場合、自分のいる避難所に何らかの理由で何週間も物資が届かないという可能性も充分にあることに触れながら、普段からの備蓄の重要性を強調させていただきました。

プレゼンテーションの終盤では、およそ日常では思いつかないような災害発生時特有の状況で直面するジレンマを追体験してもらうグループワークを実施しました。

グループワークの状況設定には、これまで防災・災害対策隊員として活動する中で見聞きしたことを盛り込みました。

「ハリケーンが通り過ぎた翌日、活動のためにタクシーで移動していたら、床上浸水被害の現場に出くわした。タクシーはここから先へいけないので、ありあわせの木材とポリ容器で作った即席のいかだに乗るように促された。」

こんな状況など起こるわけがないと苦笑しながらグループワークに取り組んでいたJICAボランティアの皆さんに、実際のいかだの写真を見せると、「これって本当だったんだ」という声が聞こえてきました。

終始なごやかな雰囲気の中でおこなわれたプレゼンテーションでしたが、グループワークを通じて被害が起きたときの危険性について、JICAボランティアの皆さんの注意を喚起できた手ごたえを感じることができました。

振り返ってみると、今回のプレゼンテーションは普段の活動を振り返るための良い機会であっただけでなく、他のボランティアの皆さんから自分の活動に対してフィードバックをいただける貴重な場でもありました。


今後も、プレゼンテーションをする機会がいただけたら積極的に取り組みつつ、皆さんからのフィードバックを活動に生かしていきたいです。

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