JICA海外協力隊の世界日記

ザンビア起業家の喜怒哀楽

ザンビア農民100名への研修

 ビジネス戦略研修に100名の農民が参加するとは予想もしていませんでした。

 農業コーディネーターから地方農家にビジネスの基本研修をしてほしいと頼まれました。いつも通り研修プログラムから興味ある題材を選択するよう伝えると、ビジネス戦略、顧客管理、サプライチェーン、事業計画、企業管理の研修をしてほしいと要請され、内容が広範囲なので十分理解してもらうことができるか少し不安でしたが、2日間の研修を実施することになりました。

 首都ルサカを早朝7時の長距離バスで出発、約5時間かけ小さな村へ到着すると約100名の農民が出迎えてくれました。男性が約60名、女性が約40名で、木陰を利用した野外仮設教室です。

 今回の研修用に英文と挿絵の配布資料を用意し、成功した起業家が明確な企業戦略を持っていたことや、情熱、オーナーシップ、リーダーシップを兼ね備えている事例を紹介しました。農業でもVisionGoalを明確にし、十分なMarket Analysis、事業Frameworkの作成, それらを迅速にExecutionするためのManagement Systemを構築していくことが成功を確実なものにする道筋であるという説明から始めました。

 ザンビアの共通語は英語ですが、研修内容を十分理解してもらうため、英語から現地語へ、現地語から英語への通訳をお願いした結果、意思疎通が深まり、意見や質問が活発に出されました。

 “お金が無い、もっと稼ぐ方法がないか?”などの質問が出されましたが、私は“農地の稼働率を高める工夫や努力をしたらどうか?”と提案しました。そのための事業戦略、顧客満足度向上、サプライチェーンの見直し、事業計画の作成方法、運用管理手法などを丁寧に説明しました。

  この村では、雨季の始まる11月から12月に種まきし、2月から3月に草刈、4月から5月頃に収穫しています。乾季(6月から10月頃)にはこれといった仕事が無いと聞いていましたので、他の農家では、乾季に養鶏、養豚などの家畜飼育や野菜・果物の栽培を積極的に促進したり、未開拓の農地の有効活用するこで収入増に成功している事例を紹介しました。

 もっと豊かになりたい、農業を企業化、近代化するための知識を学びたいという願望があります。私は、農業の専門家ではありませんが、ビジネス戦略を基本とした人材育成や起業支援に継続的に貢献したいと考えています。

澤村  ザンビア 首都ルサカより

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