JICA海外協力隊の世界日記

朝5時から拡声器で象と人生について話を聞く日々

仏教と子どもたち

私の所属するマンダレー少年訓練学校は犯罪をした子どもを主に収容しております。

日本の経験では熱心に宗教を信仰している人が犯罪をするということはあまりイメージがなかったのですが、ミャンマーでは犯罪をした子どもたちも熱心に宗教を信仰している子どもが多くおります。

宗教と犯罪の関係性はあまりないように思いますが、少なくとも彼らの日常生活の規範や規律となっていることは間違いないようには思います。

そうした子どもたちがどうしているのか、ということを今回はミャンマーでは多数派となる仏教を中心に紹介します。

仏教徒の子どもたちは午前6時と10時、午後6時と就寝前にきちんとお祈りをしている姿を見かけます。

350名くらいいる子どものうち、50名くらいがムスリム、15名くらいがクリスチャン、そしてヒンズー教徒が若干名おります。それ以外の約300名は仏教を信仰している人ばかりです。

そんな彼らのところに、時々、お坊さんがいらっしゃって講話をしてくださいます。

お坊さんから寄付を受けることもあったりとこうした宗教関係者から大いに支えられているというのがミャンマーの少年院の特徴かもしれません。

日本でも宗教関係者には大いに支えられておりますが、パーセンテージで言うとミャンマーではかなりの割合を占めているのではないのでしょうか。

お坊さんが来ると普段は悪ガキの彼らも一斉にお経を唱え始め、タードゥー、タードゥー、タードゥーと三回合唱をします。

※タードゥーの意味はあっぱれ、見事だ、素晴らしいといった意味です。お経はだいたいこの言葉を言って締めくくりますが、彼らのお経を熱心に聞いていてもこの部分しか分かりません。

「わ~、さすが、ミャンマーだな。子どもも熱心に聞くだろう」

と思ってみていると、5分もすれば、べちゃべちゃと話こんだり、ちょっかいをだしあったりする。

少し見かねて注意する子もいたりしますが、キリがないし、特にお坊さんも注意はしません。

ちなみに、これは大人も同じで先生たちもしゃっべっていたり、外に出てケータイいじったりしている。。。

僕も僕でミャンマー語のスキルが低いのとパーリ語というお坊さんが使う難しい言葉があったりして、さっぱりわからない。

そんなこんなで1時間半くらいの講話が終了。

もちろん、終わりの時も、子どもたちは日本で言うと土下座みたいな恰好で3回お辞儀をして、お経を唱えるなどしておりました。

話を聞いていなくても怒られない文化なのかなとも感じ、話は聞こうね、という指導が必要なのかどうか悩まされます。

お坊さんも何度かこの学校に来ると僕のことを覚えてくださり、時々日本語についてや日本の習慣、大乗仏教ということについて話をさせていただいたりするようになりました。

子どもたちへの講話の際にも、

「日本から来た先生からは、日本という先進国の経済発展した知恵を吸収しておくように」

「家族と離れて異国の地に来たそこに座っている先生は~」

といった話をされたりと、ほかの子どもや先生たちのように話をしているわけにはいかなくなってしまい、1時間半の修行とミャンマー語の上級者向けの授業と思って臨んでおります。

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