JICA海外協力隊の世界日記

笠戸丸の風

第14話 アーキビストの仕事 その1

本ブログの記事の柱として、アーキビストの仕事を紹介するということを前々から考えていました。

資料についての記事もいくつか書いたので、そろそろアーキビストについても書いてみようかなと。

アーキビストというのは、アーカイブズで資料に関わる仕事をしている人のことを言います。

知らない人が多いと思いますので、この2つについては、こちら(←ここをクリック)に詳しく書いているので参照ください。

というわけで、日本ではまだまだ知名度が低い(笑)アーキビストがどのような仕事をしているのか少しずつ紹介していきます。

ちなみに、日本にも施設としてのアーカイブズは、国や都道府県レベルではかなり設置されてきました(未設置の県もあります)。

例を挙げると、国は国立公文書館、東京都には東京都公文書館があります。

また、市町村レベルでも設置する自治体が増えてきています。

この他に、大学や学校、企業や団体等にも設置されつつあります。

さて、アーキビストの仕事に話を戻します。

資料をアーカイブズ(歴史資料)にするためには段階があります。

わかりやすく大まかな段階を挙げると、

(1)所有者(所蔵先)からの資料の受け入れ作業→(2)資料の整理作業→(3)資料を公開するための作業→(4)利用

となります。

このうち(3)が終了したら公開となり、そこでアーカイブズとなります。

人文研が所蔵している資料は(1)は既にクリアーしています。

そして現在、私が行っている作業は(2)です。

今回は(2)の整理について少しお話します。

整理作業にも、大まかに行う整理や細かく行う整理がありますが、今回は後者を想定して書いていきます。

では整理作業と言っても具体的にどのような作業をするのか。以下の2つのことを行います。

1 資料そのものを整理する。

資料に着いたホコリやゴミを除去する、紙の酸化を遅らせるため、また資料を保護するために中性紙の封筒に入れる等の作業を行います。

この時、管理しやすいように封筒に番号を付す場合もあります。

【1枚目の写真参照】

2 資料のデータを採る。

資料になにが書いてあるか、いつ書かれたのか等のデータを採る。

データの項目は、アーカイブズによって名称や項目の違いはありますが、主となるのは、表題(または標題)、年代、作成(または差出人)・宛先です。

この他、数量や備考等が加わります。

【2枚目の写真参照】

このように資料の整理という言葉には、資料そのものに対する整理と、資料のデータを採るという2つの作業がある。

資料そのものに対する整理だけなら、片付けや掃除と変わりません。

資料のデータを採るということに意味があります。

具体的な例としては、図書館の本がわかりやすいと思います。

図書館の本には、分類番号ラベル(最近はバーコード)が貼ってあります(上記1に相当)。

そして検索用のパソコンには、本のデータ(書名・発行年・著者名等)が入力してあります(上記2に相当)。

これによって、探している本を検索できるわけです。

これと同様にアーキビストは、この作業を資料全点に行い、資料を検索できるようにしています。

また、そのうち少しずつアーキビストの仕事を紹介しますね。

それではまた

 ~笠戸丸の風を受けて~ 

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