JICA海外協力隊の世界日記

菅原洋子のミャンマー滞在日記

パゴダの夕日

 2月に世界三大仏教遺跡の一つで、ミャンマーの代表的観光地バガンに友人夫妻と行ってきました。バガンは大きく3つの地域に別れており、考古学保護区のオールドバガン、オールドバガンに住んでいた人のために作られたニューバガン、そしてニャウンウーです。バガンには2300の寺院が立ち並ぶということですが、オールドバガンに1500ぐらいの寺院があり中心地となっています。

バガンの主要な寺院の説明は本やネットを見ていただくとして、今回は私の動物体験を中心にお伝えします。1日目の夕方にホテルから出て食事に出かけた所、路上で馬とすれ違いました。馬が近づいて来るので横目でちらりと視線と交わし(目の高さは私と同じくらい)平気を装って通り過ぎるとまもなく、背中をクイクイと押される感じがします。「何だろう」と振り向くと、馬が私の背中を鼻で押しているのです。内心ビックリですが、ここで逃げ出しては馬に追いかけられると思い、歩調を変えずに歩いていき「離れてくださいね」と心の中で願っておりました。そしたら近くにいたおじさんが「サッサー」(?)とか言って、馬を追い払ってくれて一安心。私と並んで歩いていた友人は素早く近くの電信柱の陰に身を潜めておりました。馬たちは馬車をひいて日中は働いているので、夕方は自由にさせているようです。次の日の夕方には、土の上でごろごろ転がって背中をこすっている馬がいました。馬も人同様仕事が終わったらのんびりしたいようです。

ニワトリはあちこちに放し飼いになっています。犬も猫も歩き回っています。猫にニワトリはとられないのでしょうか。私が住んでいるヤンゴン北部でも、路地を入ると、放し飼いのニワトリがひよこを連れて餌をついばんでいる様子をときどき見かけます。

働いている動物は砂糖ヤシのスポット(販売・製造所)でも見かけました。砂糖ヤシを絞る道具を回している牛は一日中同じところをぐるぐる回っているだけです。(写真)夕方には自由になるのかどうかわかりません。砂糖ヤシはバガンの名産で、とれた砂糖にミルクやタマリンド(酸っぱい実)など混ぜた数種類が売られています。またそれを発酵してお酒も造るのだそうです。ヤシの葉や幹は小屋の壁や屋根に使われており、残った屑で人形や籠を編んだりしていて捨てるところはありません。

砂糖ヤシスポットの後にポッパ山の麓にあるタウン・カラッに行ってきました。平原に忽然とそびえたつ岩峰の上に僧院が建っているのです。道路から僧院に入ると木製の階段がずっと頂上まで続いており、その両側にサルが住んでいます。何十匹いるのかはよくわかりません。子供を胸に抱いたサルや、通る人をじっと見つめているサルなど。そして餌を巡ってか、領地の争いなのかわかりませんが、すごい喧嘩もしています。僧院ですからもちろん裸足で歩くのですが、以前は景色に気をとられてサルや鳥の糞を踏んずけてしまった人がいたと聞きました。しかし今は階段のあちこちに箒をもったおばさんが立っていて、糞などは全く気にせず歩けるほどにきれいになっています。頂上には仏像や塔が所狭しと並んでおり、そこからポッパ山がすぐ目の前に見えます。ここではサルと観光客との共存に地元の人の努力がうかがえます。

バガンでは夕日のスポットがいくつかあり、私たちはシュエサンドー・パヤーの中段まで登って見ることができました。写真の中央に見えるのが階段で、自由に登れる数少ない寺院だそうです。階段は急で登っても降りてくるのは本当に怖い所でした。自分の年を考えて最上階に行くのは辞めました。中断をぐるりと一周すると、東西南北に大小の寺院が林立し圧倒されます。夕日がいよいよ沈みかける頃、高い所から眺める多くの寺院と夕日の色鮮やかさにしばし心奪われる思いでした。

ガイドさんが大きな4つの寺院とその仏像を説明してくれました。どの仏像も金箔が施され、きれいに磨かれています。美男美女が多く、ちょっと微笑んでいるような仏像が多いように思いました。大きな寺院の前には多くの土産物屋が並びます。壁掛けの砂絵や、工芸品が気に入りましたが、見るだけにしました。

西暦1000年代から1200年代までにこれだけの寺院が建ったといいます。住人は自分の経済力にあわせて建立したそうです。最後の写真はシュエサンドーパヤーからオールドバガンを見た風景です。少しは寺院が林立している様子がわかるでしょうか。ネットや本には写真家のスナップが多く出ています。ミャンマー観光では必見の場所です。

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