JICA海外協力隊の世界日記

5Sでゴー 薬剤師マラウイ奮闘日記

活動における私の敵は?

青年海外協力隊に応募し、実際に配属先の病院で活動を開始する前の私の想像。やる気満々で熱心に活動する私、しかし文化や習慣の違いから私を受け入れてくれない、もしくはなかなか協力してくれない現地の人々、それでも逆境に負けず頑張る私! 活動を開始して10カ月が経過した私はすでに知っています、これが安易な妄想だったと(笑)

活動における私の最大の敵は、もちろん「私自身」でした。恥ずかしながら、誰も近くで見張っていない中で自分のやる気・熱意を維持し続けることがこんなにも大変だとは思ってもいませんでした。ここではいろんな言い訳ができます。誰にって自分に対してですよね。言葉が通じないからできない、文化が違うから分かってもらえない、配属先の規模が大きいから自分1人ではどうしようもない、水や電気に問題があり生活に時間がかかるから大変。できない・やらないために使える理由がいくらでも見つかります。なので少し油断すると、できなくても仕方ないと考えるようになり、頑張らなくても良いかなとなりかけます。日本では少なからず評価されることがあり、それは良い意味でやらねばならない動機付けになっていたことにも改めて気が付きました(何かしろと言われたり、期限を決められたり、そんなことが煩わしかったりすることも多かったですが、見張ってくれている相手がいることのありがたみがちょっと分かりました… これからは口うるさく見張っていてくれる人にちゃんと感謝します(笑))。協力隊として私たちが取り組んでいることはすぐに結果が出るようなものではなく、現地の人々と生活を共にする中で少しずつ何かを変える努力をし続けることが要求されているのではないかと思いますが、大きな変化が見えない中で自分だけで頑張り続けることがこんなに大変だとは思ってもいませんでした。考えの甘さに反省ですね…

そんな私の前に現れた最大の味方!これがマラウイ人の同僚達でした。私が停滞気味になると叱咤激励で私に喝を入れてくれます。

あるときの話。日々の活動の中で、ここは変えたら良いのにとかこんなことをしたら良いのにとか思いついた時に、私はなるべく発言してみることにしています。絶対必要だと思っても相手にそう思われなかったりすることも多い中で、無理だろうなとかあんまり必要じゃないかなと思ったことが意外にも相手に必要とされることがあるからです。配属先のカムズ中央病院には多くのインターンが居ますが、私が着任した当初はほとんど薬局から出ることがなく、せっかく知識を持っているのに十分に活用できていないことにもったいなさを感じ「もっと病棟に行って、医師に情報提供したり、患者さんと話をしたり、在庫管理に取り組めば良いのに~」とさらっと発言しました。内心では、ちょっと良いことを思いついたかも、これをじっくり時間かけて計画して取り組んで2年間の活動の1つにしても良いかなと思いつつ。2年間は短くのんびりしている時間はないと分かりつつも、そこまでの勢いは持っていなかったその時の私。次の日、あるインターンから一言「いつになったら病棟に行けるんだ!」「あらまっ??」若い人のやる気には応えなければ!!と思い、徹夜で企画書(のようなものですね、英語が苦手な私は、口頭で交渉するより、資料を作成して理解してもらうスタイルが必要不可欠なんです)を作成し薬剤部門の責任者へ提出。とりあえず今できることはやったし、まずは返事をもらうまでは待てばOKと資料を提出したことに満足でのんびりモードの私。英語の苦手意識から、責任者との交渉にやや積極性がかける部分も否めない逃げ腰気味の私。そんな私を見透かしたかのように数日後またインターンが一言「現状はどうなっている?」「トップの返事待ちだよ~(資料は出したから私の責任は果たしたとちょっと思っていたりして)」と答えた私にインターンの鋭い発言「待っているだけでは物事は動かない!進捗状況がどうなっているか聞きに行くべきだ」もっともです。覚悟を決め責任者のもとに出向き交渉し、各病棟の担当者を決め提出するように指示を受け、翌日にはインターンが自分達で担当を決め、それを提出し、即病棟に行く許可が得られました。

いつも私はこんな風にマラウイの人々に助けられています。怒られているというべきですか!? ボランティアとしてどうかとも思いますが(pepani 現地語でsorryです)。ちょっと行き詰ってモチベーションが低くなっているなと感じても自分ではどうにもできないでいるとき、それに気が付く訳ではないんでしょうが、必ず同僚の誰かが私にやる気になるチャンス(ちょっとした叱咤激励や、私をやる気にさせるお礼やお褒めの一言)をくれます。彼らの存在がなければ私は今楽しく活動を持続できていません。私はとっくに私の最大の敵「私」に負けていたと思います。私の想像上の敵だった現地の人々は私の最大の味方でした。

それからもう1つ味方になってくれたのが、日本の所属先の上司の応援です。私が自分に負けそうだと伝えた訳ではなかったのですが、ちょうど良いタイミングで貴重なアドバイスをくれました。改善する熱意を持ち続けることが実現への鍵、満足感や達成感がないと人は前には進めない、毎日小さくとも目標を持つことが大切、満足感はそこから生まれる。これらのアドバイスは今も私の心の支えです。特に、小さいことでも満足して幸せな気分になることはちょっと上達してきました。ちょっとだけど人の役に立てた!とか、やった仕事でお礼を言われちゃったとか、これは私じゃなきゃダメだったでしょとか(思いっきり自己満足もありです)、時には(結構しょっちゅうかな)活動には全然関係ないですが食べ物が美味しかったとか安く買えたとか(笑)。そして人に対しても相手に達成感や満足感を与えることを意識するようになりました。マラウイ人はとっても褒め上手なのでお互い褒め合って、お互い幸せな気分になり前向きに仕事に取り組めます。

なかなか言いたいことが通じなかったり己に負けそうになることもしょっちゅうですが、小さなことで満足感と達成感を感じモチベーションをあげつつ、それでもダメならちょっと待っていれば同僚の誰かが私を後押ししてくれる。これからまだまだ1年ちょっと、きっと何度も言い訳をして現実逃避しそうになると思いますが!?、心強い味方がいっぱいいるので意思の弱い私でも大丈夫です、きっと(^◇^)。日本でも同僚の支えをずっと感じていましたが、マラウイでも同僚の存在はとっても大切です。同僚の皆さん、今後ともよろしくお願いします。私が停滞してたら、さぼってたら!? 後ろから思いっきり背中を押してくださいね~

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