JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

サンゴの病気から考える環境変異

こんにちは。最近ようやくジャマイカの魚の名前を大方英語で言えるようになりました。アジ、イワシ、サバ、サヨリなどのいわゆる光り物がまだ怪しいですが浅い海のお魚は大まかにわかるようになってきました。英語でのやり取りをする上でこう言った単語が出てこないとスムーズなやり取りができません。そのため、半分趣味、半分仕事と思いつつ図鑑を片手に魚の名前を必死に覚えています。これを覚えたら次はサンゴと海藻の名前を覚える仕事が待っています。

今回はサンゴについて書こうと思ったのですが、サンゴというよりその病気の方がメインになってしまいました。

ジャマイカで仕事やプライベート問わず海にはひたすら入っていると多くのサンゴに目が行きます。その中でもサンゴの具合が良い個体、悪い個体というものがわかってきます。悪い個体は上の写真の通りすぐにわかります。このサンゴはカリブ海を代表する有名なサンゴの一つでエルクホーンコーラル(Acropora palmata)です。ヘラジカの角(Elkhorn)の様な大ぶりな枝分かれをしていて非常にダイナミックな見た目のサンゴです。このサンゴは通常、茶褐色をしているのですがこの写真の様に白色を呈している部分はもう壊死しており、回復の見込みは非常に難しいと思われます。

次の写真はおそらくBrushing star coral(Stephanocoenia michilini)と呼ばれる塊状のサンゴの写真ですが、白色の帯を境に色が抜けた側と茶色の部分があります。これもサンゴの病気によるものです。

よくサンゴの白化現象はテレビで特集されているのでよくご存知の方もいるかもしれません。サンゴの白化現象は地球環境の変化に伴う海水温の上昇が引き金になって起こると言われています、しかし、それ以外にもサンゴの病気による大量死も存在します。

では何がサンゴの病気を引き起こしているのか?人間と同じくサンゴは弱った所に病気になりやすいと言われています。環境のストレスがかかりサンゴの免疫系が弱った所に日和見的に常在する細菌がサンゴを病気にするというわけです。

また、エルクホーンコーラルの病気の原因となった菌は人間の腸内細菌によるものと特定されています。ジャマイカの下水や生活排水処理が疎かである事をサンゴから指摘されている様な気がします。

このサンゴも左側が健康なサンゴで右側の青白いサンゴは病気に感染したサンゴです。実はこのサンゴの病気は現在見つかったばかりです。この近くで大掛かりな沿岸開発があったのでそれが原因ではないかと言われていますが、まだ明らかになっていません。

自然の崩壊を目の当たりにしている様な気がします。

自然を守るということは我々人間の生活を守ることに直結しています。自然を守るために何をしなければいけないのか?そして何をしてはいけないのか?海に携わる機会が多い人間としてこういった事を考え、実践していけたらなと思います。

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