2018/03/15 Thu
活動
雪の降る土地での医療キャラバン
サラーム。モロッコは、気温が上がり寒さは和らいできましたが、雨の日が続いています。水はけが悪いため、雨が降ると道のいたる所に大きな水たまりが出現します。職場も雨漏りしている部屋が…今は雨期ですが、今年は例年より雨が多いそうです。
さて、以前記事に書いた医療キャラバンに今年も参加させてもらいました。
医療施設まで行くのが容易ではない村落部に医療者が出向き診療を行うもので、移動式診療所のようなイメージです。昨年はJICAボランティアは私1人でしたが、今年は医療隊員3人で参加しました。
今年は、モロッコ中央部に位置するケニフラ(Khenifra)という街から更に一時間以上かかる場所でした。
1枚目の写真のように、雪が残り、寒さの厳しい土地です。
3泊中1泊は民家に泊めてもらいました。たくさんの毛布を用意してくれ、寝袋も持って行っていたので、全く寒くありませんでした。
でも、外に出るとやはりとても寒く、生きていくのが大変な土地だなと感じました。
その分、空気は澄んでいて、景色や星空がキレイでした。
前回のキャラバンは学校の中で行いましたが、今回は普段は何もないところにテントを張り、医療機器などが装備されているトラック6台で診察を行いました。
トラックは、眼科、歯科、超音波、放射線、血液検査などのための施設がありました。
2枚目の写真の右が歯科のトラック、左上が眼科トラックの中、左下がテントを張ったキャラバン会場です。
首都からバスを貸切り、ボランティアのモロッコ人医師、助産師、看護師、その他の専門職が参加していました。
2日間で約1500人の診察をしました。
JICAボランティアは、産婦人科トラックでの診察介助や乳がん検診、一般医のテントでの血圧測定などを行いました。
妊婦さん達の中には、遠いにも関わらず市内の保健センターでの妊婦健診を受けていたり、病院出産をしていたりと、アクセスはあまり良くない土地ですが、思ったよりも妊婦健診や病院出産への意識はあるのだなと感じました。
一方で、自宅出産歴のある妊婦さんもいましたし、血液検査の指示が出ているのに行かずに放置してしまっている妊婦さんもいました。
今回のキャラバン中に、血圧が高く、病院受診が必要な妊婦さんがいました。医師が病院受診の必要性を説明し、理解したように見えましたが、彼女の行動をみていると、どうしたらよいのかが分からないようでした。
何度か説明し、やっと理解が得られました。ケニフラだけでなく日々の活動でも感じますが、学校へ行っていなかったり、識字ができない妊婦さんやその家族の理解を得ることは、簡単ではないことを改めて実感しました。
モロッコでは一般的にアラビア語が話されますが、今回訪れたケニフラの田舎ではベルベル語しか話せない人も多く、モロッコ人同士のコミュニケーションも大変そうでした。
キャラバン2日目には、JICAモロッコ事務所所長も視察に来ました。JICAボランティア3人は、小学校での日本文化紹介の機会をいただきました。全校生徒は50人に満たないそうです。在校生、診察に付き添っていた子どもなど約50人が参加してくれました。
日本の着物や結婚式、四季を紹介した後、ちぎり絵、かぶと作りをし、最後に折り紙で作成したメダルに日本語で名前を書くという流れで行いました。子ども達が楽しそうに過ごしてくれ、とっても嬉しかったです^^
どこの国も、子どもはかわいいですね!
1人で参加していた去年であればできなかったこと。
今年はJICAボランティアが3人いたからこそでき、良かったです。
子どものメダルを見て、一緒にキャラバンに参加していたスタッフ達も欲しい!教えて!ということで、空き時間に大人の折り紙教室☆難しいかな?と心配でしたが、医療者だからかみんなとても器用で覚えも早く、他の人に教え始めるモロッコ人もいたほどでした。
みんなでワイワイと楽しい時間になりました♪
任地を離れて他の土地をみること、モチベーションの高いボランティアのモロッコ人医療者と出会い話をすることは、私にとってとてもいい刺激になりました。来年は参加できないのか…と思うと寂しくなりますが、そんな出会いを得られたことを幸せだなと感じます✿
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