JICA海外協力隊の世界日記

Madamadamadagascar!

マダガスカルで米の収穫

マダガスカルでは、稲穂の実る季節となりました。地域や気候にもよりますが、私の活動するヴァキナンカラチャ県では、多くの農家が3~4月に稲刈りを行います。

JICAの技術協力プロジェクト「コメ生産向上・流域管理プロジェクト(PAPRiz)Ⅱ」(以下PAPRiz)では、各地域の灌漑区において、水管理が出来る環境にあり、かつ自発的精神やリーダー的素質がある等の条件から「リソース・パーソン農家」を選抜し、集合研修を通して稲作技術を教えました。「リソース・パーソン農家」には、技術を導入するために必要とされる純化された種子や化学肥料の入ったセット「PAPRiz Sac」が配布されます。彼らが各灌漑区に戻って、このセットを利用しながら他の農家にPAPRiz技術を教えることが狙いです。

私も「リソース・パーソン農家」を訪問して、稲刈りの作業をお手伝いさせていただきました。田圃での作業は男女できっちりと役割が分担されており、稲刈りは男性の仕事、刈った稲を運びやすいように束にして結ぶ作業は女性の仕事となっています。(写真下)

昨年まで伝統農法しか知らず、今年初めてPAPRizの技術を導入したという農家さんは、収量が増えたことに大喜び!プロジェクトの狙い通り、稲刈りを手伝ってくれた近所の農家さんに対して、得意げにPAPRizの技術を教えていました。マダガスカルの人々は一般的に、身近に成功した人がいない限りなかなか新しい技術を導入したがらないと言われています。そこで私は、彼らの成功体験を広める手助けがしたいと考え、収穫の時期を迎えた各地域の「リソース・パーソン農家」を訪れ、「PAPRizを導入した結果、収穫の満足度はどうか」「収量が増えたことで生活は以前と比べてどう変わったか」「技術は難しくないか」等のインタビューを開始しました。インタビューの内容は、マダガスカルの識字率があまり高くないことから、グラフや写真を盛り込んだ簡単な内容の新聞にまとめています。
(写真下)

先日は、活動地域の一つであるアンバトランピ市役所前にてPAPRiz技術普及のためのビデオ教材を上映し、それに合わせてこの新聞の配布を行いました。インタビューに答えてくれた「リソース・パーソン農家」も会場に来てくれ、来場者からの質問に沢山答えてくれたことがとても嬉しかったです。来場者の方々も、自分達が住んでいる地域で、実際に技術を導入した農家さんから直接話を聞いたことで、ただ単にビデオ教材を視聴したよりも、より信用できる技術であると感じてくれたようでした。新聞は、市役所や市場の掲示板など人が多く集まる場所にも掲示してもらっています。

着任してから1年間、現地語もなかなか上手く話せず、稲作に関する技術も、知識も持ち合わせていない私が、どのようにプロジェクトや配属先と関わりながら活動していくか悩み、模索してきました。活動も、とうとう折り返し地点となりましたが、既にPAPRizを導入した農家の方が自分たちの経験を話し、自ら普及させていくことが出来る環境をつくっていきたいと考えています。

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