2017/07/14 Fri
文化 生活
マダガスカルの住宅建築
マダガスカルの住居建築は、その地域で安価に入手しやすいもので作られており、地域や気候によって大きく異なります。
例えば雨が多い東海岸部では、リヴェナラ属(マダガスカル原産のバナナに似た植物。タビビトノキ属とも呼ばれる)の幹や葉を用いて建てられた高床式住宅が一般的です。(写真上:ツィンバザザ動植物園にて撮影)
また、ザフィマニリというマダガスカル中央高地に存在する一地方では、Trano mena(赤い家の意)と呼ばれる木造建築が残っています。この地域では、幾何学模様を配した独創的な木彫りが伝統とされており、その独特な木彫り文化は2003年にはユネスコ(国連教育科学文化機関)の「人類の口承及び無形遺産の傑作」にも登録されました。
私の任地のあるヴァキナカラチャ県では、冷涼な気候のためか、壁の厚いレンガ造りの家が多くみられます。このレンガは、田圃から掘り起こした土で作られており、1つ50~60Ariary(日本円で2円程度)で売られています。乾期である7月は、田圃を使わないことと、レンガが乾きやすいという理由から、家が多く建てられる時期とされています。1軒の家を建てるのに、大体200,000~300,000Ariary(日本円で約7,000~10,000円)を大工さんに支払うそうです。
住宅構造は殆どが二階建てて、一階にキッチンと食堂があり、上りにくい急な階段を上がると二階に寝室があることが多いです。防犯のため、夜になると階段に繋がる扉を施錠します。トイレは外にありますが、夜に尿意を催した場合には、部屋に常備されている蓋つきのバケツに排尿します。マダガスカルではDahaloと呼ばれる武装強盗団が多発しているため、夜間の防犯対策はしっかり考えられているようです。
次回は、農村の暮らしについて更に詳しく紹介したいと思います。
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