JICA海外協力隊の世界日記

ランバレネ日記

水辺の村々②

(前回からの続き)
今回訪問した村々におおかた共通して言えること。
●水は井戸からの取水。
●電気に関してはいくつかの集落ごとに1つの発電機を共有し、電気を分け合っている。
●太陽光発電による蓄電式と思われる外灯が複数立っているところもあるが、軒並み故障して使えなくなっており、放置されている状態。
●市内にあるような売店などはなく、物の「流通」はない。住民の家には、市内に住む我々と同じような食品や日用品があるが、人々はランバレネ市かオゴウェ川河口のポールジャンティ市へと買い物のために足を延ばす必要がある。距離があるところだと数時間はかかるかもしれない。
●ガボンであれば地方でも使える主要な携帯電話の電波が入らない(少なくとも自分や帯同している方の携帯には。現地の人は何かしら方法を持っているかもしれませんが)。
●新聞は届かない。
●前述の発電設備のお陰で、テレビは他の地域と同様に見られる(ガボンは衛星による多チャンネル放送の視聴が主流なので、テレビと電気、パラボラ、チューナーがあれば見られる)。
こういったところに長期滞在できれば見えてくることもたくさんあるかもしれません。
しかし外部の人が宿泊することはあまり想定できない(少なくとも外国人に関しては。現地人同士であればそうとは言えないかもしれないが)環境でした。

今回訪問した村々では、やはり急患のケースで船の手配が迅速にできず、困ることが多い、という声が多くありました。具体的には出産や蛇に咬まれたりサソリに刺されたりすることで、迅速に妊婦さんや患者さんを運ぶ必要があるとのことでした。
ある村では半分以上の急患のケースでスムーズな移送をすることが出来なかったり、出産例の半分のケースで死産に至ってしまったというような話もありました。
今回行った村で一番大きなところが、前回より写真でお見せしているNgomo村というところです。村人曰くこの村にある教会はガボンでも最古で、1849年に現在のフランス・アルザス地方の牧師によって建てられたとのこと(村人の話が不正確だとしても同僚からは最古の一つとのこと)です。
そして学校や診療所の建物もあります。しかし学校はすでに閉校されていました。最後の日だったのかどうかわかりませんが、建物の中で朽ちていた黒板には2013年11月の日付が書かれていました。

そして診療所。教会や学校から歩いていくことが出来ず、少しばかりの距離をボートで移動する必要がありました。そして診療所は女性看護師が1名いるものの、診察室も長いこと使われていないと思しき状態で、機能はしていませんでした。薬剤棚には2016年製造で現在は期限が切れてしまっている薬が残っており、供給も途絶えてしまっているようでした。
看護師からは、船による移動ができないため、診療所の運営も非常に困難な状態である、という発言がありました。
今回、一番遠いところでランバレネ市から1時間半ほどのところでした。急患が生じた場合に迅速に運んだとしてもこれだけ(これ以上)かかるかもしれない、また軽い症状であったとしても診療所の状況云々を踏まえると診断に至るまでが困難、ということを考えると複雑な気持ちになりました。
(次回へ続きます)

写真1:Ngomo村の学校校舎。
写真2:Ngomo村の教会外観。
写真3:Ngomo村の診療所の建物の一つ。そこまで古い建物ではないですが、使われていないようです。

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