2017/06/25 Sun
生活
武漢のシャオチー(小吃)
これまで中国国内を移動してきたが、武漢はシャオチー(軽食)がかなり充実していると思う。
武漢のシャオチーは本当に美味しくて、ついつい食べ過ぎてしまう。
今回は武漢で特に愛されているシャオチーを3つ紹介したいと思う。
① ドウピー(豆皮)
ドウピーは武漢の特徴的なシャオチーの一つ。
わたしが最も好きなシャオチーである。
もち米を炒めて半面に溶き卵の生地を貼り付けている。
具は椎茸・筍。
表面のもち米はパリッとしていて、中はモチっとした食感。
油を使っているが、味はさっぱりしている。
名前には「豆皮」とあるが、豆は使っていないと思われる。
日本人好みの味だと思う。
実際、日本から来た友人もおいしそうに食べてくれていた。
住んでいるところのすぐそばにある定食屋で、学生に勧められて初めて食べた。
ただその定食屋は武漢に来てわずか2ヶ月ほどで潰れてしまった。
ある日突然シャッターが下りていて、それきりである。
個人的にはかなり衝撃的で、1・2ヶ月は店の前を通り過ぎる度に、「もしかしてまた突然再開するんじゃないか」と期待してばかりいた。
中国の飲食店は、新しい店はどんどんできては、古い店はどんどん潰れていく。
経営者も引き際が鮮やかだし、客もカラッとしているので、なんかさわやかな印象。
新陳代謝がとてもいいといった感じなのかもしれない。
彼の店の閉店後、ドウピーが食べられる店をいくつか探したが、いずれも通勤圏内から離れている場所ばかりだった。
最近新しい店がごく近所にできて、ドウピーが食べられるようになった。
その店のレジの人に聞くところによると、経営者は日本人だという。
何だかちょっと親近感を感じる。
② ルーガンミエン(热干面)
実は武漢のシャオチーで最も代表的なものは、このルーガンミエンである。
ぼそっとしたマットな麺を軽く茹でて、酢醤油とゴマダレをかけた汁なし面。
好みに合わせてラージャオ(辣椒:唐辛子)やスワンツァイ(酸菜:白菜の漬物)を入れて、よく混ぜて具やタレを満遍なく絡ませて食べる。
武漢の人は毎朝、湯気が沸き立つルーガンミエンをかき混ぜながら歩いて食べている姿が目立つ。
家の近くの店のルーガンミエンはニンニクの香りが利いていて、朝食べると元気が出る。
ちょっと癖があるので、朝食よりも昼食で食べたくなることが多い。
通勤途中のシャーシエンシャオチー(沙县小吃)という名の店のは、旨味が利いていて癖になる。
朝食でルーガンミエンを食べるのはいつもシャーシエンシャオチーである。
学校の近くでは辛めで燃え上がるような味のものが食べられる。
朝ギリギリになって出勤したとき、そこで買ったものをかき混ぜながら教室に向かうこともしばしば。
店によって酢醤油の風味が違っていておもしろい。
どの店も価格は4元くらい。
物価の推移で値段は上がっているそうだが、日本人からしてみれば十分安い。
武漢に来たからには、絶対に食べて帰るべきだと思う。
③ シャオビン(烧饼)
買うとき、お店の人から「シエンダ(咸的)?ティエンダ(甜的)?」と聞かれる。
「『しょっぱいシャオビン』か『あまいシャオビン』どっち?」という意味である。
『シエンダ』というと、次に『ヤオブヤオ・ラージャオ?(要不要辣椒?)』と聞かれる。
『唐辛子のタレ、要る?』って意味なのだが、最初これが聞き取れずにとりあえず大きく何度かうなずいたら超激辛のシャオビンが出てきて大変びっくりした。
『ティエンダ』にはいくつか種類がある。
普通の砂糖味のもの、あんこなどが代表的だが、店によってさまざま。
そしてグアイウェイ(怪味)というシャオビンもある。
結論から言うとグアイウェイは「しょっぱくて甘くて辛い味」だった。
学生から教えてもらったのだが、その名の通り「怪しい味」だそう。
表現しづらい味ながら、たぶんおいしいと思う。
これをおいしいと言い切る自信はないが、恐らくおいしいと言っていい。
時間差で順々に味が出てくる。
最初はふわっと甘くて、しょっぱく変化する。
次第に辛味が後からついてくる感じである。
食べてみないと分からないと思う、何しろグアイウェイなので。
シャオビン自体、結構カロリーもあるが、つい他の食事の後に食べたくなって食べてしまう。
因みにナンを焼く炉と同様の物を使用している。
焼きたてを食べると、ほっくりする。
武漢の人は一日のうちで朝食をもっとも大切にしているそうである。
本当においしい物ばかりなので、機会があればぜひ食べてもらえればと思う。
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