JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

レスミー先生 信念の人

先週の金曜日、VRTカードワークショップの結果を知らせに、王立プノンペン大学日本語学科長のレスミー先生を訪ねました。2度目の訪問です。1度目のときは気がつきませんでしたが、部屋に日本の皇太子殿下といっしょに写っている写真が飾ってありました。2012年に日本語学科の授業をご見学されたそうです。当日は皇太子殿下や随行者、カンボジア政府関係者が多勢教室にいたので、とても緊張して大汗をかきました、と懐かしそうに話してくれました。

その後、レスミー先生の日本語教育に係わり始めたきっかけを話してくれました。レスミー先生は王立プノンペン大学で、生物の勉強をしていて、将来は先生になると思っていました。それがあるとき、JICA青年海外協力隊の隊員による日本語コース授業が開講しました。40名を超える学生が日本語を勉強し始めてのですが、どんどん辞めていき、最後まで残ったのはレスミー先生を含めて4名だったそうです。辞めた一番の理由は、単位として認められなかったこと、日本語を勉強しても使い道がなかったことが大きかったようです。その当時は、日系企業も少なかった。

2005年、正式に日本語学科がスタートしたとき、リーダーとなる先生がいませんでした。そこで、レスミー先生に白羽の矢が立ちました。月給は35ドル。迷ったようです。道は2つありました。生まれ故郷のコンポットで生物の教師になること、田舎であれば、果物は豊富だし、川に行けば魚は採れる。月給35ドルでも暮らしていける。もうひとつは、日本語教師としてプノンペンに残る。月給35ドルで生活ができるか不安だったそうです。その不安を跳ね除けたのは、熱心に教えてくれたJICA青年海外協力隊の先生たちに対する恩返しの気持ちと私がやらなければ誰がやるのかという強い信念でした。現在でも、「恩返しの気持ち」と「強い信念」は変わりません。話を聞くたびにどんどん強くなっている気がします。

つい最近、外務省から、日本語教育の発展に寄与したとして表彰状をもらいました、と嬉しそうな表情で教えてくれました。

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