JICA海外協力隊の世界日記

コーヒーの国 グアテマラから

女性課とのプロジェクト

みなさん、こんにちは。

2017年に入り早3か月が経とうとしていますが、今回は昨年に行った女性課との活動についてご紹介したいと思います。
女性課とは、女性の支援などを行ったり、学校などで子供の人権の授業などを行ったりしている市役所の課の一つです。私が所属する森林課とはオフィスが隣あっているため、最も交流がある課です。

女性課の課長から、私と同僚にあるプロジェクトの話が持ちかけられました。そのプロジェクトとは、住民が女性課に名前や住所、DPI (日本でいうところのマイナンバーのようなもの)、家族の人数などを登録すると、無料で食料がもらえるというものです。女性課には様々な支援が入っており、NGO 団体や国からの支援をよく受けています。

女性課の課長が、登録をするだけで食料がもらえるというよりも、せっかくなので何らかの労働の対価として食料を渡したい、一緒にこのプロジェクトに参加してもらえないだろうかというので、私たち森林課もこのプロジェクトに参加させてもらうことにしました。

私の配属先であるサンマテオ市役所は、市役所管理の森を持っています。この森の管理人は市役所森林課課長である私の同僚が管理することになっています。ですが、市役所森林課は同僚と私しかおらず毎日管理することができていませんでした。雨期だったこともあり、草は伸び放題、管理する人がいないため、一部の住民はペットボトルやお菓子の袋といったゴミを捨て放題、という状況になっていました。

そこで、このプロジェクトに参加する住民に森でゴミ拾い、草狩り、植林という一連の作業を行ってもらい、その対価として食料を渡すということにしました。

私たち森林課としては、環境について住民に学び、実践する機会を得てもらうことができ、女性課としては、ただ食料を渡すのではなく、労働との引き換えに食料を渡すことができるということで双方にとってもよいプロジェクトになる予定でした。

プロジェクトに登録した住民の数はおよそ200名。200名が一度に活動を行うことは難しいので、1日20名、全部で10日間活動してもらう算段になっていました。

初日、予定通り20名の住民が森に集まりました。まずは、森に捨てられているゴミを拾い、なぜごみを拾わなければならないのか、なぜごみを捨ててはいけないのかについて話しました。それから、植林をするために伸び放題だった草を刈り、植林を行いました。植林についてもなぜ植林をする必要があるかを話しました。

2日目、前日と同様20名の住民が集まりました。しかし、3日目からぱたりと誰一人来なくなってしまいました。

結果、200名の住民に参加してもらうはずの森での活動は、たった40名の住民にしか参加してもらうことができませんでした(食料は、登録をした住民のほぼ全員が受け取ったと聞いています)。正直に言って、少し残念な結果に終わりました。普段の活動のなかで住民の方々とはゴミ拾いをしたり、植林をしたりというような機会は多くありません。だからこそ、この機会に多くの住民と活動をともにできればなと考えていました

事前にお知らせをしていたのにも関わらず、住民が来なかった、しかし住民だけを責めることはできませんでした。私たちにも反省点は多くありました。住民のグループをどう作成するか、どれだけの時間の作業になるかなど、説明不足な点もあったと思います。プロジェクト自体を私たちの行いやすいように進めてしまい、住民の都合などを十分に考えることができていなかったように思います。

このプロジェクトが終了し、反省会も終えてから、私としては40名も参加してくれたのだから、よかったのではないかと思うようになりました。参加してくれた40名の住民に、ゴミのこと、植林のことを直接伝えることができました。そして、ただ話すのではなく、実践もしてもらうことができました。これまでアプローチすることができていなかった層に対して、今回アプローチをすることができました。結果だけ見ると、決して成功とは言えませんが、このプロジェクトを行うことができよかったのではないかと思います。

プロジェクトが終わってから、私が心配したのは、森での活動を市役所のテレビでニュースとして流してもらったのを見ている時でした。森での活動を行い、食料を受け取った40名の住民。ただ食料を受けった160名の住民。不公平感などは生まれないのかなと思ったのですが、おおらかなグアテマラ人、大丈夫だったようです。

もし今年また同じようなプロジェクトがあれば、今回よりも多くの住民に参加してもらえるように工夫します。また女性課とプロジェクトを一緒に行いたいです。

次回からは今年の活動についてご紹介したいと思います。

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