カワカミアヤのマラウイ来まっシマ!

RSS

河上 彩
石川県

タイプ/職種
青年海外協力隊
理学療法士
派遣国
アフリカ
マラウイ共和国 ムジンバ県ムズズ市
一言メッセージ
マラウイのこと、活動のことを自分なりの視点から発信します。皆さん、マラウイ来まっシマ!(石川県の方言で来なさいよ)

 

Physiotherapistって何?日本との違いは?

2019.01.29

Mwawuka uli?(マラウイ北部の現地語で「お元気ですか?」

“カワカミアヤのマラウイ来まっシマ!”をご覧いただきありがとうございます。

前回は自己紹介とマラウイ共和国について簡単に紹介させていただきました。

今回はわたしの職種である理学療法士(Physiotherapist)について。

そもそも理学療法士って何?

というところと、日本の理学療法士とマラウイのPhysiotherapistとの違いについて書きます。

それでは早速!

Physiotherapistとはどんな職種なのか、WHOではこう定義されています。

“Physiotherapists assess, plan and implement rehabilitative programs that improve or restore human motor functions, maximize movement ability, relieve pain syndromes, and treat or prevent physical challenges associated with injuries, diseases and other impairments. They apply a broad range of physical therapies and techniques such as movement, ultrasound, heating, laser and other techniques. They may develop and implement programs for screening and prevention of common physical ailments and disorders.”

(※WHOホームページより抜粋)

直訳すると、

“理学療法士は人間の運動機能を向上または回復し、運動能力を最大化し、疼痛症候群を緩和し、また怪我、病気、その他の障害に関連する身体的問題を治療または予防するリハビリプログラムを評価、計画、実施する。理学療法士は運動、超音波、温熱、レーザーおよびその他の技術のような広範囲な理学療法を提供する。また、一般的な病気や障害のスクリーニングと予防のためのプログラムを開発または実施するかもしれない。”

と書かれています。

ちなみに日本では、理学療法とは

「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」

と理学療法士及び作業療法士法 第2条で定義されています。

“理学療法士”と聞くと、主に病院やクリニックで働いている人をイメージするのではないでしょうか?

大多数は病院やクリニック、訪問看護施設や介護施設などで働いている人がほとんどです。また、更にスポーツ現場で働いている人や、最近では一般企業で働いている人もいます。

では、その資格を取得する方法は?そして患者さんに対しどこまでの行為が許されているか?

それは国によって違いがあります。

以下で日本の理学療法士、そしてマラウイのPhysiotherapistとの違いについて書いていきます。

まず、日本の理学療法士養成校は1963年に誕生し、今年で実に56年の歴史があります。

対して、マラウイのPhysiotherapist養成校が誕生したのは2009年。Physiotherapistという資格が誕生してからまだまだ歴史は浅いです。

理学療法士の数、養成校の数も圧倒的に違います。

日本では261校も養成校があるのに対し、マラウイではまだ1校しかありません。その1校の中でもPhysiotherapyコースの定員は35名です。

(※ここで言っている理学療法士の数は理学療法協会の会員数のことであり、資格を有していても協会に属していないセラピストもいるため、実際の理学療法士の数とは異なる場合があります。)

資格取得までの流れですが、以下の図のようになっています。

日本とマラウイ、どちらも養成校での単位取得と臨床実習は必須です。

しかしその後の流れが違っていて、日本は卒業すると同時に国家試験を受験、そしてそれに合格すれば理学療法士の資格をとることが出来ます。

対してマラウイには国家試験はなく、養成校卒業後に1年間のインターンシップを行い、それが終了すればPhysiotherapistの資格をとることが出来ます。

通常国家試験は資格を取得する人のレベルをある程度一定に保つために行われると思うのですが、それで言うとマラウイのセラピストのレベルにはかなり差がありそうですよね。

しかし、活動先でインターンやPhysiotherapistと働いていても、あまり大きな差を感じることはありません。

というのも、マラウイで大学に行くというのはその時点で優秀であること、そして中でも医療職のコースに行く人はより優秀であるということが言えます。

つまりPhysiotherapistというのはマラウイの優秀な人の集まりであり、ですから大きなレベルの差はないと言えます。

しかし、医療というものは常にアップデードされるもの。

Physiotherapistとは生涯学習が必須の職種です。

ですから臨床に出てからも情熱を持って勉強し続ける人とそうでない人では、これから大きく差が開いて行くことでしょう。

最後にダイレクトアクセスについて。

これは“患者が直接Physiotherapistのところへ受診できるか?”というものです。

これに関しては日本は不可能、マラウイは可能となっています。

日本では理学療法の介入の際、薬などと同じように理学療法をするための処方箋が必要です。ですから医師の指示なしに理学療法士として患者さんを診察・治療し、報酬を得るということは出来ません。

しかし、マラウイではそれが可能となっており、国内でもいくつかプライベートのPhysiotherapy clinicがあります。

もちろんプライベートクリニックを開くにはそれなりの技術がなくてはいけません。

マラウイの国立病院では基本的に医療費は無料ですが、プライベートクリニックではお金がかかります。

ですから、少数のお金がある人はプライベートクリニックに行き質の高い治療を受けられます。

そうでない大多数の人は、人のごったがえした公立病院で自分の番を今か今かと待たなければなりません。時には医師がいない・薬が足りないなどで治療を受けられずに帰宅する人もいます。また、そもそも病院に行くための交通費が出せず病院に行けない人も。

そんな風に格差が大きいのがマラウイの特徴だと思います。

そして実際にマラウイに来てその格差を目の当たりにし、「なぜこんなことがまかり通っているんだ」という気持ちになることは多々あります。

あと1年半の任期の中で、この格差が少しでも減るような活動をしていきたいと思います。

今回は日本の理学療法士とマラウイのPhysiotherapistの違いについて書きました。

それでは、また次回の更新をお楽しみに!

ご覧いただきありがとうございました。