JICA海外協力隊の世界日記

コンピュータと絵本

モザンビークの昔話3

 日本の漫画とアニメが大好きで、ひまがあれば漫画を描いたり、パラパラアニメを描いたりしているハリスが、かわいい絵を描いてくれました。色鉛筆の手描きですね。それをスキャンして、服の柄は、コンピュータで張り付けたようです。バレという娘と、マメジャというヤギのお話です。このふたつの名前は、南部では聞かない名前で、北部で使われる名前だそうです。モザンビークには地方ごとにたくさんの現地語があるのですが、このお話は、きっと北部のお話なのでしょう。ちなみに、首都マプトは、南部です。


バレとマメジャ

昔、バレという名の娘がいた。バレは結婚が決まりこれから新しい生活を始めようとしていた。バレの家にはマメジャというヤギがいた。マメジャは全ての家事をこなすことができる魔法のヤギだった。

バレ:   お母さん、マメジャをくれませんか。

:    だめだめ。マメジャは娘みたいなものだから。

バレ:   でもお母さん、私は料理ができないの、

     知ってるでしょ。これがばれたら離婚されてしまう。

:    そうねえ。しかたない。でも、マメジャを外に

     出しちゃだめよ。だれにも見せちゃだめよ。

バレ:   わかりました。

バレ:    マメジャ、私といっしょに来て。

マメジャ: しかたないですね。あなたは何もできないから。

バレ:    そうそう。私は毎日畑で働くから、

     あなたが家事をやってね。

マメジャ: はい、はい。

そのうちに、マメジャは近所のこども達に知られるようになった。気のやさしいマメジャはみんなから好かれた。

こども1: わあ、ヤギだ。ヤギが働いてる。

こども2: ホントだ。ヤギが料理してる。

こども3: わあ、ヤギが歌ってる。

こども達: ヤギさん、もっと歌って。

ある日、パーティーをすることになった。

バレ:   マメジャ、明日はパーティーだから、

     働かないで隠れていてね。

マメジャ: はいはい。わかりました。

マメジャは言われた通り隠れていたが、そこにあったワインを飲んで、酔っ払ってしまう。

マメジャ: あら、こんなところにおいしそうなワインがある。

     いただきまあす。ああ、おいしい。ゴクゴク。

     ・・・あ、そうだ。はたらかなくちゃ。

人々:  あ、ヤギだ。ヤギが働いてる。どうなってるんだ。

:   なんて恐ろしい!これは魔法か!
    銃で殺してやる!

バレ:  待って待って!殺さないで!

:   おまえ!おまえのヤギか。なんて恐ろしい魔法を使うんだ!

    出ていけ!おまえの顔なんか見たくない!

バレ:  わかりました。出ていきます。マメジャ、いっしょに行こう。

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