JICA海外協力隊の世界日記

タラワの宝

がんばるJICA帰国研修員!

今回は、キリバスのごみ問題の最前線で活躍しているJICA帰国研修員を紹介したいと思います。

帰国研修員とは、JICAが行う研修員受入事業の下で来日し、数か月間~数年の間日本に滞在して技術や専門知識を学んだ外国人研修員のことです。

【写真:活動先のベシオ町役場にて。帰国研修員のKさんと枝ごみ用粉砕機】

この男性は2015年、そして2017年にJICAの研修コースに参加し、日本の廃棄物処理や環境教育について学んだKさんです。Kさんは現在もベシオ町役場で廃棄物管理を担当しています。ここでの彼の仕事は、ごみ収集業務の取りまとめ、ごみ処分場の管理、そして有機ごみのコンポスト化と多岐に渡ります。

Kさんと一緒に写っている機械は、約10年ほど前にJICAの支援で導入した枝ごみ用粉砕機です。現在も大切にメンテナンスがなされ、問題なく稼働中です。Kさんを始めとしたチームメンバーのお話では、ウッドチップを作る際に粉砕機と相性のよい種類の木と、そうではない木があるそうです。故障を防ぐために、そういった相性の悪い木を取り除くよう気を付けているとのことでした。

【写真:粉砕機を使ってウッドチップを作り、コンポストの材料にしています】

ウッドチップを使って生産したコンポストは、2キロごとに袋詰めされ、2ドル(約160円)で一般向けに販売されています。南タラワを始めとしたキリバスの島々の土壌は、ほとんどがサンゴ礁由来の砂地であるため、野菜などを育てる際の土壌改良にコンポストは必要不可欠なものです。

ベシオ町役場の敷地でも、生産したコンポストを用いた菜園づくりが行われています。私がKさんたちと協力して行っている活動は、コンポストの生産効率の改善、菜園運営へのアドバイスです。これは、野菜の大部分を輸入に頼っており、また野菜不足が様々な健康問題の原因となっているキリバスにとって希望のある取り組みであり、やりがいを感じています。

「コンポストや菜園をさらに発展させていきたい。今後はどのように収益を上げていくのか、マーケティングや広報の知識が必要だ。私自身も、他のチームメンバーも、外国での研修などを通じてもっと学ぶ機会が欲しい」とKさんは熱く語ります。

【写真:熟練のチームメンバー、Aさんと。トマトの芽かきや支柱立てなど、小さな改善から取り組んでいます】

Kさんを含めた帰国研修員は、キリバス全体で約200名ほどもいます。彼らは日本人ボランティアの私たちに「こんにちは」「私の名前は・・・」など、知っている日本語で話しかけてくれ、とても親日的です。そればかりではなく、「日本はごみの分別が進んでいるよね」「日本で見たコンポストは、温度管理がきっちりされていて、もっと大規模に生産していたよ」など、目標となるイメージを共有できることがとてもありがたいなと感じています。今後も帰国研修員の方々と協力しながら、これまでに行われてきた取り組みを持続可能なものにし、さらに発展させるお手伝いができればと思っています。

(おわり)

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