JICA海外協力隊の世界日記

タラワの宝

MISSION:島にある全ての小中学校でごみの授業をせよ!~キリバス赤十字社&環境省と一緒~

今回関わらせてもらったのは、キリバス赤十字社がニュージーランドの支援を受けて行う”Solid waste management awareness raising campaign(ごみ問題啓発キャンペーン)”です。これは約一か月の時間をかけ、南タラワの西から東へ向けて小中学校を一つずつ回り、約2時間のプログラムを実施するという大がかりなものです。

【写真:指定ゴミ袋「グリーンバッグ」の使用を呼びかける赤十字社のユースボランティア】

このキャンペーンが従来と違うところは、主催団体のキリバス赤十字社、そして日ごろから廃棄物管理を仕事としている環境省、そして私の所属先の内務省が協力し、一つのプログラムを行うという点です。これまでのキャンペーンでは、それぞれの組織が各自でばらばらに情報を発信していたため、住民がどの情報が正しいのかわからず混乱してしまうということがあったそうです。特にごみのポイ捨てに対する罰金の金額や、ごみの出し方のルールなどについての情報が一部で錯そうしてしまっている状況とのこと。そういった現状がある中で、ごみ問題に関わるそれぞれの組織が住民に対して「統一のメッセージ」を発信することはとても大切です。このような意味で、今回の3つの組織の協働は画期的な動きであり、関わっているメンバーも誇らしげな様子でした。

【写真:まずは「土の中には何が住んでいるの?」と子どもたちに問いかけ、微生物の存在に気付いてもらいます】

今回対象となった学校は、南タラワ・ベシオにある24の小学校・中学校です。キリバスの小学校は6年制で日本と同じなのですが、中学校は前期3年制・後期4年制(後期は日本の高校に相当)ということで、実施するプログラムも幅広い年齢に興味を持ってもらう必要があります。今回私が使ったのは、パネルシアター方式のプレゼンテーションです。プロジェクターを持っている学校はほとんどなく、また使えてもいつ停電になるかわからないという状況なので、最も相応しいのではないかと考えました。

【写真:学校に捨てられているごみ。リサイクルごみ、有機ごみ、プラスチックごみが混ざったまま捨てられてしまいます】

パネルシアターのトピックは、私がベシオ町役場で関わっているコンポストについてと、ごみの分別の大切さについてです。活動中、コンポストの材料である有機ごみを各家庭から集める際、プラスチックのごみが混ざってしまっていることが気になっていました。現状では、作業員が一つ一つ手で取り除かなくてはならず、コンポストの効率的な生産には程遠い状況です。訪問先の学校では、これらの困った状況を伝えた上で、各家庭や学校でのごみの分別を呼びかけました。このキャンペーンの成果は、今後各学校でのモニタリング調査でチェックしていく予定で、現在チームメンバーと共に学校に配布するアンケートを作成しているところです。アンケートを通じて学校の先生や児童・生徒たちの反応を見るのが楽しみです!

(おわり)

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