JICA海外協力隊の世界日記

ザンベジ川へは徒歩3分

食事と母の愛

今回はチルンドの人々の様々な食生活について紹介したいと思います。

マーケットや村に行くと主食であるシマを作る人々に出会います。シマは主に白トウモロコシを粉末にしたものを水で溶き、混ぜながら炊くと糊化するのでスプーン等で整形し皿に盛ります。脱穀する時に削る割合やメーカーによって値段も幅広く、脱穀率が高くより白く味が素朴になればなるほど値段が高めになり人気になります。

近所のお母さんが言うには、小学校3年生位に授業で作り方を学び、作れない女性は結婚前に花嫁修行をしたりするそうで、「ザンビア人でシマを作れないと話にならない」と言う厳しいご意見を頂きました。

チルンドはジンバブエとの国境に位置し、比較的広大なエリアな為様々な職業で生計を立てている方が多いです。

その為、所得も大きく差があり比較的収入が少ない農家さんや母子家庭などでは、いかに栄養バランスを考えた食事を作るかが腕の見せ所になっています。油を使いすぎない様にしたり、野菜を多めにしたり、シマにキビやアワを潰して粉末状にしたものを混ぜて作ったり。限られた食材でどうやって毎日違う料理を出すか、栄養が偏らない料理をどう作るか、世界中どこの国のお母さんも考えています。

電気も水道もないけれど、そんな事がどうでも良くなるくらい子供達は笑顔でお喋りしながら食べています。

個人的には味のない真っ白なシマより、香ばしい香りのキビのシマの方が好きです。どこか懐かしい味で日本人に合っていると思います。

街から20kmほど行った所にはバナナ園が広がり、小ぶりなバナナは10本10円ほどで取引されています。傷が入ったり折れている青バナナはB品としてほぼタダで農家さんからもらう事ができるそうです。青バナナは皮を剥きトマトと玉ねぎで煮ると、まるで里芋のようにホクホクになります。手持ちが無い時は、おかずが1品のみの時もあるようですが、栄養とカロリーを考えた料理が必ず出て来ます。

家庭の事情や職業による生活格差は大きいですが、どこの家も、母からの愛は料理と食べる時の笑顔が絶えない子供達から伝わって来ます。

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