JICA海外協力隊の世界日記

まるタイ日記

所変われば

中間テスト週間(外国人教師は試験監督なし)を活用し、ムクダハン県へ行きました。ムクダハンは、ラオス国境沿いにある東北の県の一つで、日本のODA(円借款)で造られた第2タイ=ラオス友好橋(1枚目の写真)を通ってメコン川を渡れば、隣国の町スワンナケートへ往来できます。ムクダハンの人たちは、この橋が日本の支援で建てられたと知っていて、よく感謝してくれます。橋を渡ってムクダハンからスワンナケートまで行くツーリング大会が開かれたりもしますが、このように自転車で国境を越えられる橋は、世界でも珍しいそうです。
東北は、食文化もラオスとよく似ています。たとえば、もち米を指先で練っておもちのように丸めてから食べたりします。ムクダハンに住んでいて、タイ人はふつうそうやってもち米を食べるものと思っていたので、昨年、トランに来て、南の人はもち米を少しも練ることなく、そのまま食べてしまうことにカルチャーショックを受けました。また、東北には、コオロギやアリなどを食べる昆虫食文化(2枚目の写真)がありますが、トランではどこの夜市に出かけも、まったく虫が売り買いされていないので、これにもカルチャーショックを受けました。

また、トランへ来たとき、肥満の人がとても多くて驚きました。ムクダハンは、少しぽっちゃりしている人はいましたが、だいたいは細身で、肥満の人はほとんど見かけたことがありませんでした。一方で、トランには正常体格の2~3倍くらいの恰幅の人がたくさんいます。ウィチェンマトゥ学校でも、肥満の生徒がかなり多く、体が重くて歩きづらそうにしている姿をよく見かけます。まだ中高生なのに…彼らのこれからの健康がとても心配です。トランが裕福で食べものに困らない土地だという証しか、それとも、南のほうは肥満になりやすい体質なのか、原因はいろいろ推測できます。しかし、トラン人を観察してみると、東北の人に比べて野菜不足で、栄養バランスが偏っており、脂質や糖質もたくさん摂っています。やはり、食生活が肥満に大きく影響しているようです。

所変われば、お国ことばも変わります。南と東北では方言も大きく異なります。南の方言は、標準語が激しくなまるので、単語一つひとつの意味は分かりますが、声調が全然変わってしまうので、注意深く聞かなければなりません。トランでは、老若男女ほとんど全員が、このなまりの強い方言を話します。その一方、ムクダハンでは、標準語はそのままのイントネーションですが、方言はラオス語です。ふだん、基本的には標準語を話し、ときどき単語レベルで方言をまぜます。つまり、南の方言は単語の意味はわかりますが、イントネーションが標準語のルールとまったく違っていて、会話全体がなまっています。一方、東北の方言は、会話全体は標準語のイントネーションとだいたい同じですが、単語が方言(ラオス語)になります。3枚目の写真は、ムクダハンのバスターミナルの風景です。看板には、ラオス語もあわせて表記してあります。
このように、東北と南、2つの町に住んだことで、さまざまな地域差に気づくことができました。次回の記事でも、ムクダハンが登場しますので、どうぞお楽しみに。

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