ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ

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小郷 智子
(大阪府)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
コミュニティ開発
派遣国
アフリカ
ルワンダ ルワマガナ郡
一言メッセージ
かねてからの「途上国の現場を見たい」という思いから、銀行を辞めてルワンダの地へ。人々の温かさに触れながら、日々ルワンダと自分の可能性に挑戦しています!合言葉は「ブホロブホロ(=少しずつ少しずつ)」!

 

活動状況~中間報告①赴任直後に直面した課題と解決策編

2018.05.24

活動

天気が予測できるよう、雲が広がる度に同僚や友人や自宅のガードマンに「これは雨が降る雲?降らない雲?」と聞いています。が、なかなか見分けがつかず、天候を読むのは難しいです。

【トップページ:雨季の合間の気持ちのいい空。この後急に大雨...という事も】

さて、今回は中間報告で発表した活動状況について紹介します!

■中間報告会実施

ルワンダに来て1年が経過し、現時点での活動状況と残り1年の方針を報告する為、4月下旬にJICA事務所にて中間報告会がありました。このタイミングで1年を振り返り活動してきたことをまとめました。私は初めの頃、「活動のきっかけ作りをどうしたものか...」とちょっと考えた時期があったので、中間報告では、「①赴任直後に直面した課題と解決策」と「②活動内容」について報告しました。

そこで今回はまず①について抜粋して紹介します。

今後何らかの形で海外ボランティア現場に関わる人々の参考にもなれば幸いです。

■初めに直面した3つの課題(きっかけ作り)

赴任当初はルワンダ文化にも馴染めておらず、自身の関わるコミュニティも小さく、また初めからやるべきことが用意されている訳ではないので、自分で活動を開拓していきます。自分のやりたいこと、出来ることを試す大きなチャンスですが、この時期私が直面した課題は以下の3点でした。

【写真①:ルワマガナ郡庁外観】

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◇課題1:何から着手すればよいか分からない

配属先の郡庁にポンっと入れて貰い、「はい、明日からよろしく」と言われて、後は自分で活動をしていきます。カウンターパートから具体的に「これをやってほしい」と言われる事もないので、「そもそも何から始めれば活動に繋がるのか...」と第一歩の踏み出し方から考える必要がありました。

◇課題2:主力活動場所がない

配属先は郡庁ですが、私のミッションである『収入向上』に資する活動をする為には郡庁にいるだけでは貢献出来ません。かといって、「トモコの活動場所はここだよ」と言われる訳ではないので、どこに行って何をすればいいのか全く分かりません。『自分で一から探して動ける』、というのは大きなメリットで楽しいのですが、活動場所を探す必要がありました。

(現場で困っているからボランティアが要請される訳ですが、具体的にどうすればいいのか現場も分からない為、具体的に提案される事はまずありません)

【写真②:同僚達は毎日忙しそうに打ち合わせ】

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◇課題3:私の活動状況を同僚達に共有する機会が無い

カウンターパートはいくつも仕事を抱えていつも会議や外出が入っており、ほぼ自席にいません。更に彼はキニアルワンダ語とフランス語は堪能ですが、英語は単語がカタコト通じる程度である為、会話で意思疎通を図るのはほぼ困難な状況です(ルワンダでは2010年に公用語がフランス語から英語に切り替わった為、少し上の世代の人々はフランス語を話す)。他の同僚達も同様です。

加えて私が赴任した時期の5月というのは、6月末の年度末のImihigo(※1)評価に向けて1年で一番多忙な時期だった為、皆毎日大忙し。

私の活動にほぼ関心が無い上(というか現業が忙しすぎてそれどころではない)、活動状況を共有するどころか、「どうやって日々のコミュニケーションを取ったものか...」と初めの頃は考え込んでしまいました。

【写真③:皆外出してがらんとしたオフィス】

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※Imihigo(イミヒゴ)【再掲】:

毎年郡ごとに設定されるパフォーマンスコントラクト(=年間活動達成目標)。全国の郡庁で各々設定されており、この目標達成にに向け郡庁では業務を遂行する。年度末には評価機関が各郡を回り、ドキュメントチェックと現場視察でImihigoの達成率を評価し、全国順位付けがなされる。この評価次第で、翌年度の予算配分や人事配置が決定される重要なもの。郡庁においては中央集権の管理体制が確立されている。

▶[参考]Imihigo(イミヒゴ)について

http://www.rwandapedia.rw/explore/imihigo

【写真④:Imihigoの成果発表。郡庁入り口の掲示板に掲示】

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■自分なりの解決策

こんな感じで赴任直後に出てきた課題に対し、以下のような方法を取ってみました。

◇課題1:何から着手すればよいか分からない

⇒解決策1-①:郡庁資料を貰い、読み込む

まず、「彼ら郡庁職員の仕事の方針、課題、目標、仕事の仕方から理解しよう」と考え、郡庁の資料を色々依頼し読み込む所から開始しました。カウンターパートに筆談で「Imihigoの資料とか、郡庁の仕事に関わる資料が欲しいんだけど貰える?」と伝えた所、趣旨を理解してくれて色々な資料を用意してくれました。具体的には『最新のImihigo資料』、『DDP(District Development Plan)(※2)』、『VISION2020(※3)』、コーペラティブ(=協同組合。以下コーペラ)リスト...etc.。幸い郡庁の公式資料は殆どが英語でも作成されている為、これを読み込みながら、彼らの関心事の概略を掴みつつ、どんなコーペラがあるのかのイメージを掴んでいきました。

※2 DDP:Imihigoを基に作成されたルワマガナ郡庁の具体的な活動指針。郡庁毎に5年毎に作成される。

※3 VISION2020:ルワンダ全体の国家指針。10年毎に作成される。

【写真⑤:郡庁資料の読み込み】

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⇒解決策1-②:毎日外を歩いて実地調査

続いて、とにかく任地を歩き回り、現地の状況を自分の目で見て回りました。特に初めの1ヶ月は毎日一人で近所を歩き、安全には気を付けつつ気になる事には「それは何をやっているの?」と首を突っ込んで聞いて回りました。これによって大分土地勘がついたのと、後の活動に繋がる人々との出会いがありました。

【写真⑥:とにかく任地を歩き回った。ここでの出会いが活動に繋がった事も】

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◇課題2:主力活動場所がない

⇒解決策2-②:毎日外を歩いて実地調査

解決策1-②と同じく毎日歩き、「面白そうな事はないか」「改善できそうな事はないか」「課題はないか」という目で見て歩きました。

⇒解決策2-②:同僚にコーペラ等を紹介して貰うよう、毎日頼む

同僚に依頼する際、解決策1-①でコーペラリストを見ていたお陰で具体的に「このコーペラに行きたい」と言う事ができ、同僚も「そこは難しいけど、こっちのコーペラならいいわよ」というなど、交渉が進めやすかったです。とはいえ同僚も忙しいので、毎日依頼してようやく1ヶ月後に初めて紹介して貰う事が出来ました。初回は紹介して貰った事と、希望を叶えてくれた事が二重で嬉しかったです。「相手の状況も配慮しつつ、諦めないのが肝心だな…」と思いました。

【写真⑦:初めて同僚とコーペラ見学へ】

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◇課題3:私の活動状況を同僚達に共有する機会が無い

⇒解決策3-①:毎月月次レポートを作成、提出。

皆多忙である上に言語の壁がある為、会話で情報を伝えるのは難しいのですが、英語でも筆談やメモ書きにすると意思疎通に効果的であることが分かってきました。そこで毎月レポートを提出する、というやり方で情報共有を図ってみる事にしました。内容はごく簡単に『今月やった事』と『来月の予定』を箇条書き。一緒に活動した時は同僚の名前を記載すると、「あ、私と一緒に〇〇した時の事をちゃんと書いているのね!」と理解してくれると同時に喜んでくれます。途中から写真も添付した処、イメージがしやすくなったようです。課題があって同僚に協力してほしい事がある時は具体的に記載する事で、協力を依頼しやすくなりました。ここにJICAのスケジュール等も記載して、私のスケジュールを前広に伝えやすくなったという効果もあります。

今はカウンターパートだけではなく、同じBDE unit(=Business Development&Employment promotion unit:ビジネス雇用振興課)のメンバー全員に月末レポートを提出することが定例化しています。

私の活動状況を共有しやすくなり、私が今何をしているのか、何が課題で協力して欲しい事なのかを少しずつ伝えることが出来るようになりました。

【写真⑧:月次レポート。提出した後他の書類に紛れてしまっていたので、保管用ドッチファイルを貰い、毎月提出した後ファイリングしてボスの本棚に保管する事に】

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⇒解決策3-②:『世界日記』の回覧板を作成し、回覧。

この『世界日記』を印刷して回覧板を作成し、私がルワンダでの生活を日本に紹介している旨を報告しています。日本語でルワンダの事を紹介しているのが珍しいので、同僚達も「日本に我々ルワンダの事を紹介してくれているんだね!いい取り組みだ!」「今度この事を紹介してみてよ!」と興味深そうに見てくれます。同僚と一緒に写っている写真を掲載している事もあり、「これは以前一緒に行ったウムガンダの事じゃないか!」「あ、〇〇さんも写っている!」と喜んでくれます。

ルワンダ人にとって日本は遠い国ですが、自分達の生活が日本に伝えられ、理解のきっかけが作られているという事がとても嬉しいようです。

私もここまで喜んでくれるとは思わなかったので、「自分の文化が理解されるという事はやっぱり嬉しいものなんだな…」とこの時改めて気付きました。

【写真⑨:世界日記の回覧板。回覧表も添付】

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コミュニケーションに臨む気持ちは『水で石を穿つような感覚』。

こうして毎日少しずつ少しずつコミュニケーションを積み重ねた結果、同僚達と意思疎通が出来るようになり、だんだんと活動に繋がるきっかけを作っていく事が出来ました。

次回は、どのような活動をしてきたかについて紹介します!