JICA海外協力隊の世界日記

ルワンダかけはし通信~ブホロ ブホロ

ルワンダでの活動状況~②最近の活動状況について

最近雨がちな天気の影響で、停電、ネットワークの不調が続いています。ルワンダに来たばかりの頃は慌てていましたが、今では大分慣れ、動じなくなってきました。

今回は最近の活動状況について紹介します!

■最近の活動状況

ルワンダに来て7ヶ月目、任地配属になって6ヶ月目となり、郡庁とルワマガナ郡の地域に少しずつ馴染んできました。

私の活動については、具体的な既存タスクがある訳ではなく、自分で『収入向上支援』に繋がる活動を探して提案し実施していく、という要請です。難しい反面、自分で試行錯誤しながら責任を持って取り組めるので、自由な発想で活動出来ます。

この6ヶ月程は、午前中は郡庁に出勤、午後は近隣地域を歩き回るのをルーティンワークとし、地域の様子を観察し活動の種を探していました。また、時々同僚に誘われて郡庁関連のイベントに参加し(イミヒゴ[※1詳細後述]やジェノサイド[※2詳細後述]関連)、イミヒゴに対する郡庁職員の仕事振りや村・町での人々の生活、ジェノサイドに対する人々の姿勢への理解に努めていました。そして、月次で簡易レポートをカウンターパートに提出し、自分の活動状況や気づきを共有するよう意識しています。

※1 イミヒゴ(前回の投稿内容再掲):

毎年郡ごとに設定されるパフォーマンスコントラクト(=年間活動達成目標)。全国の郡庁で各々設定されており、この目標達成に向け郡庁では業務を遂行する。年度末には評価機関が各郡庁を回り、ドキュメントチェックと現場視察でイミヒゴの達成率を評価し、全国順位付けがなされる。この評価次第で、翌年度の予算配分や人事配置が決定される重要なもの。

[参考]イミヒゴ(Imihigo)について

http://www.rwandapedia.rw/explore/imihigo

※2 ジェノサイド:

一つの民族、人種、国家、宗教を抹消する行為で、「大量虐殺」の意味で使われる。ルワンダでは1994年4月、多数派のフツ族による少数派ツチ族の大量虐殺が発生。100日間で80万人が殺害されたといわれる。特筆すべきは、これが戦争ではなく市民間、隣人間で発生した点にある。この背景には長年支配層として利権を独占していたツチ族に対する被支配層のフツ族の不満があったが、植民地時代の体制や民族内での派閥争いなども遠因となっており、単なる民族対立の結果とは言い難い面もある。尚、現在では公けの場で「ツチ族」「フツ族」という事は禁じられており、融和政策が取られている。23年経った今でも心の傷跡は深く、毎年4月のジェノサイド追悼週間には各地で追悼式典が行われている。

【写真①:村の水道開通式典】

同僚の仕事振りや郡庁の仕事の仕方も掴めてきたので、最近では現場中心の活動にシフトしようと考えています。同僚に依頼していくつかのコーペラティブ(協同組合)や機関を紹介して貰ったのをきっかけに、最近では以下2点を中心に現場掌握に向けて動いています。

①SACCO

一つ目は『SACCO』というマイクロファイナンス機関(=農協のようなイメージが近い?※3詳細後述)について、どのような仕組みでファイナンスをしているのか、その課題をSACCO職員にヒアリングし、サポート出来ることが無いか確認しています。ルワンダでは中小企業やコーペラが多くありますが、元手のファイナンスへのアクセスが課題となっているようなので、実態を確認したいと考えています。

最近では融資担当者に依頼して、融資先への訪問に同行させて貰っています(職員は返済状況や商売上の課題が無いかの確認の為、定期訪問している)。同行する事で中小企業やコーペラの実態をより近くで知ることが出来、ビジネス上の改善点を見つけることが出来ないかと考えています。

※3 SACCO:

全国のセル(=郡の二段階下の行政単位)ごとにある公共のマイクロファイナンス機関。口座開設時に一定金額を預金し、それを資金源としている。主に預金、引き出し、ローン等の業務を担っている。ローンについては最長2年間で、民間金融機関より低金利で借りられるのが特徴。

【写真②:上_SACCOの外観/下_融資先の雑貨屋への訪問の様子】

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②コーペラティブ

二つ目はコーペラティブ(協同組合)に対するアプローチ。最近はイソコ近くの服飾コーペラ(いわゆる仕立て屋さん)によく行っています。ルワンダでは仕立て屋が多く、沢山の人が働いています。西洋風の服を着ている人も多いですが、特に女性はルワンダの伝統的なパターンの服を仕立てて着ている人が多いです。ルワンダのどの地域にも大小様々な仕立て屋があるので、彼らがどのように働いているのか、課題が無いかをリサーチしている処です。

通っていると「トモコ、これは日本語でなんて言うんだ!」と聞かれるので、そんな時は日本語と片言のキニアルワンダ語を交えて即席日本語教室。皆面白がって集まってきます。色々教えてみた結果、ルワンダ人にとって発音しやすい挨拶は、「おはよう:Ohayo(=キニアルワンダ語でMwaramutse)」と「ありがとう:Arigatou(=Murakoze)」のようです。また『ひらがな』が面白いらしく、挨拶をローマ字とひらがなで書いてあげると「難しい!」「じゃあこれは何て書くんだ?」と質問攻めに。私は逆にテーラーから足踏みミシンの使い方を教えて貰っており、絶賛特訓中です(足踏みミシンは、踏み込むタイミングがなかなか難しい)。

【写真③:上_服飾コーペラの様子/下_足踏みミシンの特訓】

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また、料理・お菓子作りが好きなルワンダ人の友人がおり、「将来自分の店を持ちたい」というのが夢という事なので、時々レシピを教えて一緒に作ったりしています。代わりに私はルワンダ料理の作り方を教えて貰っています。

【写真⑤:上_ピザ作り/下_バナナタルト】

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それから、ルワンダでは果物も豊富に採れますが加工品が無い為、ジャム作りやドライフルーツ(乾季の日差しを利用)はどうだろうか、と現在同僚に提案中です。日本でもアフリカのドライフルーツを売っているお店があるので、ニーズはありそうな気がしています。

大きな事は出来ませんが、コツコツ自分で出来ることを見つけては試してみる、という形で少しずつ活動をしています。

■新しい加工品のアイデア検討

それ以外に、個人的にはルワンダでは素材の豊富さに比して加工業が少ないように感じているので(農業、手工芸、工業等)、何か加工業でも技術支援できないかと考えています。

ルワンダでは豊富な食材の一つとして牛乳があるので、最近では時間を見つけては、プリンやカッテージチーズ、、ホットケーキ等を作り、ルワンダ人に教えられるレシピをストックしています。

【写真④:上_プリン/下_カッテージチーズ】

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