JICA海外協力隊の世界日記

サバーイサバーイlaos日記

ラオスのさとうきびにまつわる話。

ラオスの気候は、旧正月のある4月頃が一番暑いといわれており、旧正月には水かけ祭りが行われます。4月になると日中の気温は40度を超え、じりじりと日が肌を照らします。そんな一年に一番暑い夏に向けて、現在、ラオスはぐんぐん気温上昇中。汗も自然に噴き出してきます。そんなとき、喉を潤してくれるのが、この季節になると出回るサトウキビジュース。

それも絞りたて。この機械でウィーンとさとうきびを絞って、ジュースにしてくれます。

大きいカップに入って、一杯5000kip(65円程度)とお手頃です。食後や、喉が渇いた時に飲むのが今の季節の定番です。

ラオスは、あまり知られていませんが、サトウキビの大産地なのです。

そして、さとうきび繋がりで私の任地自慢。

さとうきびから作られるお酒があることを、皆さんご存知でしょうか…???

実は…ラム酒です。すんなり答えられた方は…のんべぇですね☺

といっても、ラムと聞いてもなかなか馴染みもない方も多いと思います。私も、今まで日本で、ラムといったら、ラムコークや、ラムレーズンアイス(アイス大好き♡)で触れる機会はありましたが、まさか、さとうきびから作られているなんて知りませんでした。

しかし、ここラオスに来て、私の任地の隣の、隣の村でラム酒を作られている日本人の井上育三さんと知り合うことができました。

ご自身の農場と工場(LAODI)を持ち、ラオスの現地の方と一から育てたさとうきびを使って、さとうきびの一番の絞り汁を発酵させ、蒸留する製法のアグリコールラムを作られています。一般的なラムはさとうきびから砂糖を作る過程でできた糖蜜を原料とするインダストリアムラムという種類が多いそう。しかし、アグリコールラムの生産量はラム酒全体の10%だそうで、手間暇かけて、ピュアで希少なラムがここラオスで日本人の手によって作られているのです。この高品質なラムは世界のラムの品評会で数々の賞を受賞するなど、ラオスから世界に羽ばたいています。

ラオスでは、「ボーペンニャン」という言葉があり、「気にしない、なんとかなる。」と、まさに穏やかで細かいことは気にしないラオスの人々を代表する言葉。そのスピリットに、何度助けられたことかと本当にラオス人の温かさと器の広さに感謝の日々ですが、時に細かい作業や、きっちり仕事を行う日本人とは、相違が多く、活動していても「え?そこ気にしない…?そこボーペンニャンなの?」と感じることも多くあります。

井上さんも、ラオス人と仕事をされている経験から、例えば、さとうきびを植えるときの話…まっすぐきっちり植えてといっても、なかなか難しいそう…(きっちり植えれば、取れ高も多くなり、効率的。)しかし、なかなか言うとおりにしてくれない…。ここはラオス。次第に、井上さんは、「これがラオス人のまっすぐ」だと捉えるようにした、というお話を以前してくださった際には感銘を受けました。

活動しながら、ついつい、「どうしてこうしないの?日本ではこうしているのに。」と思ったり、イライラしてしまったり、ここはラオスということを忘れて、色々と自分の考えや、やり方を押し付けがちになってしまっていた私にとっては衝撃が走りました。私は、ちゃんと今ラオスにいる、ラオスの人と一緒に活動していることを大切にしなきゃ。そんな考えを呼び起こしてくれる素敵な井上さんです。

そんなこんなの、ラオスのさとうきびにまつわるお話でした。

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