ジャマイカよ、めざせコミュニティ防災 2016-2018

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笹森 賢一
(愛知県)

ボランティア/職種
青年海外協力隊
防災・災害対策
派遣国
中南米
ジャマイカ セント・アン教区 セント・アンズ・ベイ
一言メッセージ
ジャマイカ北部のセント・アン教区で、コミュニティ防災(Community-Based Disaster Risk Management:CBDRM)に取り組む様子を報告します。

 

西インド諸島大学モナ校

2017.12.12

文化 活動

11月に活動の一環として西インド諸島大学モナ校を2回訪問しました。


カリブ海地域で英語を公用語とする国・地域に向けて高等教育サービスを提供している教育機関で、普段の活動ではわからないジャマイカの一面を目の当たりにすることができました。

私事で恐縮ですが、個人的な趣味に「旅先で大学のキャンパスを訪れる」というのがあります。

スーパーマーケットや市場と同様に、旅行先に住む地元の人たちの自然体の姿を見ることができ、なかなか楽しいのです。


敷地の大きい総合大学では、学生たちが授業の合間にスポーツをしているところに出くわしたりすることも。

大学は留学生や外国から来た教授も多いので、明らかに違う国から来たとわかる外見の私が歩いていても、特段注意を引くこともありません。


それが居心地がいいこともあり、時間があれば積極的に見に行くようにしています。

ジャマイカに複数ある大学の中でも、ジャマイカ工科大学(University of Technology: UTECH)と並んで名高いのが、西インド諸島大学モナ校

(The University of the West Indies at Mona, Jamaica: UWI)です。

西インド諸島大学は名前のとおり、カリブ地域で英語を公用語とする18の国・地域に向けて高等教育サービスを提供する高等教育機関です。

これらの国・地域がまだ独立する前に設けられたイギリスの大学の分校や出先機関が、1950年以降に西インド諸島大学の名の下に統合されました。

ジャマイカでは、キングストン東部のモナという地域に広いキャンパスがありますが、トリニダード・トバゴとバルバドスにもキャンパスがあるとのこと 。

大学の成り立ちそのものが国際的であることを反映してか、学生もカリブのさまざまな国から来て勉強しています。

2017年11月現在、日本からはカリブ海文学を研究している博士課程在籍の方のほか、獨協大学の学生さんが短期の交換留学で来ておられるとの話で した。

また、学生ではありませんが、JICAボランティアも3名活動しています。

ジャマイカ国内では大学名の英語標記の頭文字をとってUWI(ユーウィー)と呼ばれている 西インド諸島大学は、あるJICAボランティアに言わせれば「カリブ海の東大」なのだとか。

その表現が適確かどうかはともかくとして、現在ジャマイカの首相であるアンドリュー・ホルネス氏を始め、ジャマイカ政界の有力な政治家を輩出し続けていることから、ジャマイカでも1、2を争う大学であることは間違いありません。

そんな一大高等教育機関であるUWIのキャンパスには、国の内外から人もモノも情報も集まってきます。

毎週行われる様々なイベントの中には、JICAボランティアとしての活動のヒントになりそうなテーマのものも。

11月の中旬には、「GIS DAY」という地図情報システム(GIS)がテーマのイベントが行われたので、思い切って参加してみることにしました。

参加にあたっては、「GIS DAY」に出展する団体で活動している他のJICAボランティアに口利きをお願いしました。

Mona Geoinformatics Institute(西インド諸島大学モナ地質情報科学

研究所)というその団体は、大学の研究所であると同時にジャマイカ国内でカーナビを販売する企業でもあるというユニークな一面を持っています。


地図情報システムだけではなくIT技術にも長けており、最近話題になっているIBM社製のWatsonを使って目的地への道順を会話形式で教えてくれるソフトウェアも展示していました。


キングストン近郊から来場した高校生さんが大半を占める来場者に対してもわかりやすい説明を続けるMona Geoinformatics Instituteの職員さんは、飛び入りでブース出展の手伝いに参加した私にもとても親切でした。


イベント全体を通して、防災・災害対策の一環としてハザードマップを作成するのに、地図情報システムのほんの基礎的な部分だけを利用している私には大いに刺激になるとともに、ジャマイカの進んだIT技術を目の当たりにするよい機会となりました。

その次の週には、別のJICAボランティアが先生として活動しているUWIの日本語のクラスで授業をさせてもらいました。

比較的少人数での授業になるのではないかと考えていたのですが、フタをあけて見れば20名近くの学生さんが集まってくれました。


授業のテーマは、私のJICAボランティアとしての職種である「防災・災害対策」で、日本語のクラスなのでコミュニケーションは日本語。

日本語のクラスの先生として活動しているJICAボランティアの方に教えてもらいつつ、防災・災害対策について平易な日本語で説明するのは新鮮でした。

授業の最後には、日本でも大きな課題ととらえられている災害弱者の方への支援についてグループワークをしてもらう時間を設けました。

設問はこんな風です。

 最近、日本からササモリさんがUWIに留学してきました。


 日本語に堪能なあなたは、ササモリさん受け入れの

 サポート役のアルバイトをしています。

 ササモリさんは英語がよくわからないので、生活に苦労しています。

 そんな折、ササモリさんにUWIについて説明していた今このときー

 ジャマイカでは滅多に起こらない地震が起きました。


 あなたはこれからどうすればよいでしょうか?

 グループで話し合い、その内容を代表の方が発表してください。

比較的難しい設問でしたが、学生さんは上手な日本語で、災害弱者の方に対する適切な支援を応えてくれました。

自分が日本で大学に通っていた頃に、外国語のクラスで同じ質問をされても、まず答えられなかったと思います。


そう思うと、UWIの学生さんの頭の良さは驚くばかりでした。


UWIでの日本語教育は、日本語のクラスの先生を務めるJICAボランティアを20年近く派遣し続けている事業で、UWIにもすっかり根付いています。

UWIの博士課程の学生が日本語クラスのアシスタントとしてついてくれることもあり、日本の研究者として巣立っていった実績もあり、人材育成の面でも実績のあるプログラムです。

長く続いているという事実のためか、実際に授業をしてみても、手探り状態で進んでいる普段の自分の活動とは違う安定感・安心感を強く感じました。

<自分の活動も、自分の後任の方に引き継いでもらって、UWIでの日本語教育のようにジャマイカに根付いたらー>

自分が帰国したずっと後のことに思いを馳せるきっかけをもらったUWIの訪問になったのでした。


今回、たまたま短い間に2回UWIを訪問しましたが、ジャマイカの新たな一面を知り、自分の活動に対する新たな刺激をもらうことができました。

冒頭でも書いたとおり、私の個人的な趣味である旅先での大学巡りをみなさんに押し付けるわけではありませんが、ジャマイカにお越しの際には、ふらっとUWIに来てみるのも面白いかもしれません。

参考:

西インド諸島大学
http://www.uwi.edu/index.asp

(2017年12月11日閲覧)

Mona Geoinformatics Institute(西インド諸島大学モナ地質情報科学研究所)
http://www2.monagis.com/

(2017年12月11日閲覧)

日本語教育・日本研究支援 : 在ジャマイカ日本国大使館
http://www.jamaica.emb-japan.go.jp/itpr_ja/study.html

(2017年12月11日閲覧)