JICA海外協力隊の世界日記

Dive into Jamaica

海からの漂着物

みなさんこんにちは、

活動以外で会う人ってどんな人?と前に隊員同士で話題に上がりました。現地で上手く友人や恋人を作る隊員もいれば、殆どいないと言う方までバリエーションが豊富です。
私の場合は職場以外の知人は「いつも酔っ払って絡んでくる漁師のおっさん」か、「会うたびに日本人女性を紹介しろとせびってくるガソリンスタンドのおっさん」の2パターンのおっさんしか知り合いにおらず、なんというか健全な友人関係を築けていない自分に気づかされました。
さて、ジャマイカでは最近天気が非常に荒れています。特徴的なのは昼前に激しい風が吹き、日中は波が大きく浜に打ち寄せています。
その影響で良く見かける藻類が今回のテーマです。

これはホンダワラの一種(Sargassum sp.)で日本ではおなじみのヒジキはこの仲間にあたります。
特徴は丸い実のような構造です。中身は空気が入っており浮き袋の役目をします。これが水中で草体を垂直に保つ機能をしているだけでなく、根(正確には仮根ですが)が切れた時に漂流するときの浮き輪の役目をします。すると本来の生息環境から離れた場所で種を散布することができると考えられています。
日本では沖縄周辺で見られるホンダワラがそのまま黒潮に乗って本州まで上がって行く事が知られています。実際ジャマイカで見られるホンダワラもブラジルから北上してきた、ホンダワラであるという研究報告があります。

ジャマイカで特にこの影響を受けるのは観光業です。まず莫大な量のホンダワラが砂浜に上がるのでこれが景観を大いに損ないます。それと同時にホンダワラが砂浜にゴミとして漂着してしまうことを意味しています。この処分にかかる金銭的負担は相当なものらしく、どうにかして処理が出来ないか検討中だそうです。
日本では一部地域では食用にされています。また、ヨウ素を多く含んでおり加工して鶏の飼料にするなどの研究が行われていますが、海藻食の文化がないジャマイカでは難しいのではないかなと予想しています。
余談ですが、ジャマイカやキューバより北の海域ではホンダワラが多く群生しておりその海域の名前にもなっています。ホンダワラの英語名(科名)は「サルガッサム」で海域「サルガッソー海」。
その一帯はバミューダトライアングルという飛行機や船舶がよく消失すると言われている伝説の地帯です。
川口浩・藤岡弘、探検隊シリーズや妖怪・超常現象好きの私としては胸が高鳴る胡散臭い場所ですね。実際は風があまり吹かない航海に向いてない地域というのが事実らしいですが…。
とりあえずホンダワラの処分をどうにかしないといけないのはカリブの観光業が当面抱える課題だと思います。しかし、海藻食に馴染みの無いカリブでホンダワラの使い道は非常に乏しい様な気がします。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ