JICA海外協力隊の世界日記

みんなの知らないインドネシア~スマトラ島・バンダルランプン~

田植えをしました

 先日、任地バンダルランプンの近くで田植えを体験する機会がありました。当地での任務は農産物を扱っているので是非地元の農業の現状を・・と思い、日本人留学生Kさん(ランプン大学)のホームステイ先にお邪魔して農作業のお手伝いをさせていただきました。ここは大学職員Sさんのお宅で、副業として週末を中心に田んぼで米作りをしています。その日は雨季のまっただ中にも拘わらず、朝から明るい曇り空、雨に降られずギラギラ暑くもなく絶好の農作業日和となりました。

 Sさんの家から歩いて15分ほどのところに広々とした田んぼが広がっていました(写真1)。この全てをSさんが所有しているわけではなく、その一部で稲を育てています。まず午前中は水を張った田んぼに苗を植えました(写真2上)。この歳(50代後半)になってようやく「田植えデビュー」です。上部をちぎり取った苗をだいたい15cm間隔に植えていきますが、目印がなかったのでまぁ適当に。まっすぐ植えたつもりでもやや曲がってしまいました。腰を屈めて2時間ほど、まずまずきれいに植えることができました。薄曇りとはいえ陽の高い時間でしたが、手足が水に漬いているせいかそれほど暑さは感じず、田を渡る風が心地よい作業でした。

 田植えの最中にはムカデが足を上ってきたり、畦道でアカアリに噛まれたり(痛い!)、苗を食べるkeong(ジャンボタニシ)をやっつけたり。田んぼ仕事はこれら小動物との戦いでもありました。なお、畦道の下には赤いプチプチした固まりが所々に見られます(写真2下)。これはkeongの卵、農家にとって大敵です。

 昼食と休憩を挟んで午後からは田んぼの雑草取りです。畦道の端にある雑草を鎌で取り払ったり、雑草取りの道具(写真3、右上に全貌)を手で操作しながら水の中を行ったり来たり。2往復ずつKさんと二人で交代しながらの作業でしたが、苗を轢かないように真っ直ぐ・・と思っていても、途中で列が乱れていてどっちに行ってよいかわからず右往左往。恐る恐る操作しているためなかなか作業ははかどりませんが、こちらのほうは結構足腰が鍛えられました。少し日が傾き始めた午後4時頃、心地よい疲れとともに一日の作業を終了し、田んぼを後にしました。「明日・・ではなく、あさって辺り筋肉痛だろうなぁ~!」と思いつつ。。。

 農業はランプン州の基幹産業、そして米はインドネシアでもなくてはならない主食です。普段の任務では農産加工の工場とは接点があっても、なかなか米などの農作物を作っている現場に行くことはありません。今回の田植えでは改めて農業の大切さ、農作業の難しさを経験することができました。以前ブログでも紹介しましたが(2015年11月)、この地域は1970年代に日本企業が雑草地を農地に開墾した歴史があります。今回田植えをした土地がその関連かどうかはわかりませんが、ランプンではこうして農業が身近な存在であることとその歴史とは密接に関係するのではないか。そんな思いを巡らせながら農業体験の一日を終えました。

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