JICA海外協力隊の世界日記

笑顔あふれる、ロンボク島。

タイ王国 在外研修②

前回に続いて、タイ王国での高齢者をテーマとした在外研修についてお話しします。

研修は3日間にわたり開催されました。

うち1日半はJICAの医療分野の専門家や各国から参加した隊員とその同僚による、各国および活動している地域の高齢者分野についての発表など、半日はデイケアや病院、家庭訪問の見学、最終日の1日は地域で暮らす高齢者の例についてのディスカッションと発表です。

世界中にJICAボランティアがいるとは言え、他国の隊員と協力し、さらに同僚とともに他国・他地域の現状について学ぶことは、なかなかできない本当に貴重な機会です。

同じアジアでも、国によって財源も、宗教も、医療の水準も異なっており、ロンボク島とは比べものにならないほど発展した地域についての話も伺いましたが、

衛生的なトイレがないこともある、医療機関へのアクセスが困難な住民もいる、といった問題点、

また、家庭訪問をしている、高齢者向けの体操教室を行っている、といった現場での取り組みなど、ロンボク島との共通点も多くあり、本当にたくさんのことを学ぶことができました。

そして、どの国の隊員も、悩みながらも活き活きと活動しており、隊員と同僚が協力する姿はとても励みになりました。

また、JICAのプロジェクトのひとつとして行われているデイケアでは、日本のものと見間違えるような立派なベッドや細かく記載されたカルテもさることながら、デイケアのスタッフ達が利用者様に丁寧に接する姿が印象的でした。

また、家庭訪問では、浴室にすべり止めマットを設置したり、和式トイレを洋式にすることで、身体を動かすのが難しい高齢者でもより使用しやすくしたり、ベッドとトイレの距離に配慮するといった住環境の整備等、

実際に現場を見るからこそわかること、また様々な職種の医療者が現場にかかわるからこそできる工夫を多く学ぶことができました。

そして、同僚の、誇らしい姿。

私と同行したのは、決して役職があるわけではない、町の保健所に勤務する高齢者担当の看護師で、大舞台には尻込みしてしまうのではないか、とひやひやしていました。

しかし、いざ研修が始まると、英語でのプレゼンテーションはもちろん、セッションの一部で堂々と司会をしたり、質疑応答で積極的に質問をしたり、グループディスカッションでも意見を多く発言していました。

研修での同僚の姿はとても輝いていて、彼女と研修に参加することができてよかった、と心から思いました。

また、家庭訪問では、タイ語は全く分からないけど現場の高齢者を励まし気遣おうとする接し方に、同じ看護師として、言葉が通じないことがあっても心を込めて患者さんに接しよう、と私のほうこそ元気をもらいました。

今回学んだたくさんのことを、同僚と一緒に、ロンボク島の現場で活かしていきたいと思います。

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