JICA海外協力隊の世界日記

バングラデシュ便り

#3 バングラデシュ活動報告1「首都ダッカで地震発生」 2023年度4次隊 安東貴裕 職種:建築

JICA海外協力隊 2023年度4次隊バングラデシュ派遣で、職種は建築の安東貴裕です。

『2025年11月21日金曜日、午前10時38分、バングラデシュの首都ダッカで地震が発生』

先日、首都ダッカ近郊の町を震源とするマグニチュード5.4の地震が発生しました。
体感としては、震度3から4でした。(この震度階級は国際標準ではなく、日本独自のものなのです。)

ビックリした現地バングラデシュの人々は、パニック状態でした。

そうなんです。
ここ何十年も、この規模の地震は無かったのです。
ですので、ほとんどの人が地震を経験していません。
「いったい何が起こったのか?」
ほとんどの人はそのように感じたようです。

この規模の地震ですと、日本では死者は、ほぼいません。
しかし、バングラデシュでは今回の地震で残念ながら死傷者が出てしまいました。

とても残念でなりません。人々の暮らしを守るために協力隊として来たのに、それができませんでした。
バングラデシュに赴任してから、ずっと地震対策の活動もしてきました。
協力隊として、最も心が折れる瞬間です。この経験は、いつまでも忘れないでしょう。


そこで急遽、配属先同僚を集めて、セミナーを開催しました。

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日本の建築士として、いま僕の経験を伝えるべきだと思ったからです。
テーマは『地震の脅威と建築士の倫理』です。
・「地元の状況はどうでしたか?」
・「地震発生時、あなたはどのような行動を取りましたか?」
・「建築士として、いま何をすべきでしょうか?」

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グループワークを通して、意見を求めました。
特に「建築士として私たちは何をすべきか?」については、
「地震とインフラについて、もっと知るように努める。」
「地震問題に関する集中的な技術セッションやワークショップを開催する。」
「一般の人々の住宅のための耐震技術を開発し、技術的な問題を抱える住民を支援する。」
「耐震技術を組み込み、エンジニア、 建築基準法担当者と協力し、それに従う。」
「安全な避難経路または避難所を設計する。」

これらの意見を聞いた僕は、同僚の建築士としての職責がはっきりと芽生えたようで、確実に一歩前に進んだように思いました。

しかし、助けられただろうその命の重さは、岩のようにズッシリ心の上に乗っています。
「世界を変える力になる」には、まだまだ高い壁があると実感しました。

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安東 貴裕
JICA海外協力隊
2023年度4次隊
バングラデシュ・建築

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