JICA海外協力隊の世界日記

ブータン便り

きのこシンポジウム&フェスティバル①

みなさま、こんにちは。
ブータン隊員が作っているGOENというグループと活動の一部を紹介させてください。

GOENは勿論「ご縁」のことですが、英語を当てはめていて、Green Opportunities for Enhancing Nutrition and Healthという長い名前を持っています。(JOCVを付けJ-GOENとも名乗っています。)

ブータンでは、生活習慣病など、食と栄養の改善で減らせる健康上の問題が多いので、そこに人々の関心を集め、肥満や高血圧、貧血などを減らしてもらい、国の医療支出も減らし、同時に消費を増やし農作物の需要を創造して農家のチャンスも作ろうという趣旨により隊員有志で結成しました。(GOENは柔軟なネットワークで、普段、隊員は個々の活動をしています。)

現在、栄養士隊員のほか、農業機関の隊員、特別支援を要する生徒に農業学習を教えている障害児者支援隊員、理学療法士隊員、観光局でアグリツーリズムを振興する隊員らが、適時柔軟に連携して活動しています。

今年の8/2224にブムタン県という中部の県で開催されたきのこのシンポジウムとフェスティバルに、GOENとして参加して来ました。

今回の世界日記では、まずシンポジウム(8/22)について報告します。

GOENのきのこ栽培隊員の配属先である国立きのこセンターからの紹介で、シンポジウムとフェスティバルのことを知りました。

きのこは、繊維、カリウム、リン、ビタミンB1などが多く、低カロリーなので、栄養の観点から振興すべき作物です。ウマミを利用すれば塩分を減らせるので、ある意味、GOENのホープでもあります。

きのこには、採集する天然物と栽培物がありますが、どちらも山間部が主要生産地なので、山林に恵まれたブータンの地域振興のホープにもなります。

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そういうチャンスを作れるきのこのイベントですので、GOENとして、まとまってブムタン県へ行ってきました(栄養士隊員はブムタンが地元ですが)。

今回が第1回のきのこシンポジウムは生産者グループの発案により、国連のFAO、ブムタンの県庁(農林部)、首都の農業省が資金を支援し、国立きのこセンターが主催しました。

GOENからは、国立きのこセンターの熊田隊員、観光局の小原隊員、農業機械公社の花里隊員(マーケティング)、チャンガンカ校の熊澤隊員(美術教員)が発表またはパネルディスカッションで意見を述べました。
開会式では、特別招待客の農業大臣からのお言葉もありました。

隊員からの提案や意見交換の概要を以下に紹介します。

・アグリツーリズムに関してパネルディスカッションを行い、私はアグリツーリズムの基本的なコンセプトやアイデアを共有しました。
ブータンでは新しい試みでまだまだ構想段階ですが、オーディエンスからの質問も多く、興味を持ってもらえたと思います。(観光局/小原)

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・店頭での販売促進ツール(POP)の提案を行いました。ブータンのお店では商品がそのまま陳列されている事が多く商品特徴がわかりにくいという背景からです。
発表後、早速「この店頭POPどうかな?」と反応を頂きました。少しの工夫で変化が生まれるかも?と思ってもらえていたら嬉しいです。(マーケティング/花里)

・本年度に獲得したFAOの技術協力プログラム予算によるナメコ等新規きのこ栽培の普及と加工品の輸出を目指した活動報告と本事業を基礎とした4つの新規事業提案を行いました。
発表後、行政や生産者から東部地域へのナメコ栽培の指導要請、新規事業への参画要望が多数寄せられました。(きのこ栽培/熊田)

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・配属先であるインクルーシブ学校での農業学習導入を目指し、国立きのこセンターと連携して進めている実践例を紹介しました。
卒業後の進路選択肢がほぼ無いに等しい生徒が選ぶことのできる一つの具体的な選択肢として、より多くの生産団体や組織と繋がることを今回の発表目的としました。
今回の発表後、障害者雇用に取り組んでいる団体と繋がることができたため、協働して障害者向け就労トレーニングに挑戦して行きます。(障害児者支援/熊澤)

初めてのシンポジウムということで、主催側も参加側も、不慣れな部分はありながらも、やる気にみなぎったイベントで、来年の開催が楽しみです。

次回は、ブムタン県の東部に当たるウラ村でのきのこフェスティバル(8/2324)について報告します。

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