JICA海外協力隊の世界日記

ブータン便り

鳥葬

Kuzuzanpola! 隊員の岩井です。

皆さんは「鳥葬」という言葉を聞いたことがありますか?私はブータンに来て初めて知りました。曰く鳥葬とは、遺体を鳥に啄んでもらって処理する葬儀です。ブータンでは小さい子供(9歳以下)が亡くなった時に実施するらしく、具体的な割合などはわかりませんが今でも鳥葬は実施されています。鳥葬の概要についてはWikipediaに記載されています。

私の任地パロには2つの鳥葬場があります。一つ目はブンドラと呼ばれるタクツァン僧院からさらに1,000mほど上がった標高4,100mに位置しています。二つ目はパロ県とお隣のハ県の県境のチェレラ峠にあります。

ブンドラ

11月30日日曜日、空が晴れ渡る日にブンドラに行ってきました。早朝に起床し、朝5:30にスタートです。登り進めること4時間、まずはブンドラのベースキャンプに到着です。ここで早めの昼食を食べ、いよいよ鳥葬場に向かいます。
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ブンドラには鳥葬場が3つあり、2つ目までは簡単に行けます。といっても標高は4,000mを超えるため急激にペースは落ちます。以下は2つ目の鳥葬場です。ダルシンと呼ばれる祈祷旗が建てられています。写真の画角外には儀式で遺体を安置するのに用いる台がありました。
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3つ目は岩場を登った先にあります。私が行った際は小さな靴が置いてありました。なんとも言えない気持ちになりました。
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チェレラ峠

12月6日土曜日、この日も雲一つない晴天でした。チェレラの鳥葬場は駐車場から2時間ほど登った標高4,100mにあります。ブンドラとは異なり稜線上にあるため360度見渡せます。人類未到の最高峰であるガンカー・プンスムも見ることができます。
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チェレラの鳥葬場にはマニ車が設置されており、風が吹くとマニ車が回転して徳が積まれる仕組みになっています。
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曰く、子供が亡くなった際に鳥葬を選択する理由として、まだ幼く心が汚れていないため、遺体を自然に返してもそれを啄んだ鳥達に邪悪な心が乗り移らないとのことです。

異国に住むと死生観が異なるため様々なことを考えると同時に、自国の文化や風習を見つめ直す機会になります。ブータンに来た際はお時間あればぜひ鳥葬場に足を運んでみてください。なお、高地順応ができていない場合は酸素缶の持参を推奨します。パロタウンで700ニュルタム(1200)で買えます。

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