2025/12/19 Fri
#103 【番外編】ミスケ市⇔大阪市 郵便のない国で文通大作戦!~大阪・関西万博交流~

Hola! コチャバンバ県ミスケ市で活動している、2024‐1次隊の藤田美桜です。
さて、突然ですが、日本にお住まいのみなさまは、大阪・関西万博に足を運ばれたでしょうか?
私は、出身は東京ですが、関西が大好きな人間で、2025年の関西万博には絶対に行きたいと思っていました。しかし、ありがたいことにJICA海外協力隊としてボリビアに派遣されることが決まり、冷静に考えると「万博行けないじゃん……」ということに。
そんな中、JICA事務所から万博関連の活動の募集がいくつかあり、「ここで万博に行けなかった憂いを晴らすしかない!」ということで、参加させていただくことになりました。そのうちの一つが、今回タイトルにも書いたように、配属先の学校と、日本の学校とをつなぐ「文通」です。
文通を始める前に、ボリビアという国の様子や、ボリビアの学校・子供たちの様子を知ってもらうために出前講座を行いました。

大阪市立上福島小学校の5年生を対象に、色々話させてもらいましたが、特に食べ物についてと、学校行事(ボリビアの夏休みはなんと2カ月間!長すぎる!)のことに興味津々の様子でした。

↑講座の最後には、文通相手のボリビアの5年生に登場してもらったインタビュー動画を流しました。「こんな子たちに手紙を書くんだな~!」と期待感を高められたらいいな、という思いです。
文通は、まず大阪の学校の子どもたちに書いてもらうところから始まり、大阪→ボリビア→大阪と3ターンのやり取りをさせていただきました。しかし、3ターンと言っても、ここはボリビアです。郵便システムが機能していないボリビアにおいて、文通をするということがいかに大変かを改めて実感することになりました。
プロセス①【大阪の子たちが手紙を書く】
日本語バージョンと、スペイン語に翻訳した2バージョンを書いてくれました。子どもたち、そして担任の先生たちの苦労が想像できます…… 日本にまつわるイラストを添えてくれた子が多く、とてもステキな手紙でした。

プロセス②【大阪の手紙がボランティア調整員さんの手元に届く】
私が地方隊員(大都市から3時間という田舎)であることもあり、まずは手紙をスキャンしてデータで送ってくださいました。
60名弱の手紙、一つ一つスキャンしていただいて本当にありがとうございます!
プロセス③【ボリビアの子たちに手紙を見せる&返信を書く】
スキャンしたデータを印刷したもの(コピー)を渡しました。
日本から手紙をもらうなんて初めての子どもたち、だいぶ興奮していました。

あまり手紙を書くということに慣れていない様子の子どもたちでしたが、「まずはもらった手紙に書いてある質問に答えてごらん」とアドバイスをすると「そうか~」と鉛筆が進みます。
「逆に日本の子に質問してもいいよ」というと、それぞれが思い思いの質問をひねり出していました。

子どもたちには、「日本の子たちは、翻訳機を使ってあなたたちの文章を読むから、丁寧な字で書いてください」と伝えていたのに、文字は読めない・スペルは間違っている…… 日本で6年生を担任した際、卒業文集を添削したときのことを思い出しました。そこは日本もボリビアも共通です(笑)
プロセス④【手紙を送る&手紙の原本をもらう】
私がコチャバンバ市内に上京するタイミングで、手紙の交換ができました。
日本だったらレターパックに入れてポストへ投函!で終わる作業が、待ち合わせをして対面して直接やり取りをしなければいけないなんて…… こちらも何人もの事務所の方にお世話になりました。ありがとうございます。
プロセス⑤【日本から返信の返信が届く】
こちらも、原本が届くまでには、もちろん時差がありました。
子どもたちも、ようやくこの時差があることが理解できたようで、
「これは何月に書いてくれたものなのかなぁ」としみじみする様子も見られました


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今回、日本の学校との文通を通して、配属先の子供たちには貴重な経験をしてもらえたのではないかと思っています。日本の文化を知ることもですが、顔を見ないでもなんとなく気持ちが通じる感覚、簡単には会えないからこそ相手のことをもっと知りたいと思うような気持ち、日本のことを知ることで、自分たちの国・ボリビアを見つめなおすきっかけにもなったのではないでしょうか。
日本・ボリビアの子どもたちにとって、この文通がいつまでも心に残り、後に世界や国際協力について考えるきっかけとなることを願っています
文責 藤田 美桜(2024年度1次隊/小学校教育/コチャバンバ県ミスケ市)
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