JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#04 同期隊員で協力して、発達段階に応じた教員研修をラパスで行いました!

ボリビア便り 第4弾!

今回は、赴任して約1年が経った同期隊員が協力して行った活動を紹介します!

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Hola, ¿cómo están? (こんにちは、みなさんお元気ですか?)

ボリビアの小学校では、7月から約1ヶ月間の冬休みがありました。

その間の活動がないことを利用して、同期4人で教員研修を行いました。

実は私たちボリビアの20231次隊は、職種こそ違うものの、4人全員が小学校で活動しています。

今回はそれぞれの活動内容を踏まえたうえで、「発達段階に応じた指導―体育・算数の視点から幼小接続を考える―」をテーマに、幼稚園・小学校の先生方向けの研修を実施しました。

2. 体育.JPG

体育では、スキャモンの発育発達曲線※を例に、発達段階に応じた子どもたちの身体的な特徴や、指導法について研修を行いました。子どもたちは神経系の発達が著しいため、発達段階に応じた適切な運動・トレーニングが重要だからです。

その後、コーディネーショントレーニング(調整力)という7つの要素を含む指導方法についての説明し、実技を行いました。
ボリビアの先生方には、身体を動かしながら楽しく学んでいただきました。

※アメリカの医学者・人類学者であるスキャモンが1982年に発表した曲線のこと。誕生から成人までの発育量を100%とし、4つの系統(神経型、リンパ型、一般型、生殖型)に分けてその発達の様子を示したもの。

算数では、子どもたちが数の概念をどのように獲得していくのかを、理論や具体例を提示しながら説明しました。

幼児期には机に座った学習ではなく、遊びを通して学んでいくことの大切さも実感してもらうことができました。

小学校での算数指導では、具体物を使いながら徐々に半具体物(日本では算数ブロックがよく使われています)を使用し、図式化しながら数の概念を習得していく方法を、具体例をもとに説明しました。

4. 振り返り.JPG

その後、初の試みとして研修の振り返りをグループに分かれて行いました。

「発達段階に適した指導法を今まで行っていなかったため、今回学んだ発達段階を忘れずに、授業を行っていきたい」

「算数では、10の数を作ることの大切さを学んだので、1年生の授業では、それを使って足し算の指導を行いたい」

などの感想や意見が挙げられました。

これまで先生方からの感想等は、後日アンケートでもらっていましたが、今回は先生方の教育について熱心に話し合う様子を見ることができ、感想や意見を直接聞くことができて、とても有意義な時間となりました。

今回の研修を通して、ボリビアの先生方の「教育をもっとよくしたい」という思いを感じ取ることができました。

ボリビアに赴任して約1年が経ち、スペイン語もある程度理解できるようになり、学校現場の課題も明確化してきました。その一方で、隊員の力だけでは変えられない部分も見えてきました。

今後は「変えられない部分を変えるのではなく、変えられるところをボリビアの先生方と一緒にどのように変えていくか」を念頭に置きながら、残りの任期も活動に取り組んでいきたいと思います。

文責

平島 将崇(2023年度1次隊/小学校教育/ラパス県ラパス市)

柿本  文(2023年度1次隊/小学校教育/サンタ・クルス県オキナワ市)

伴場 海璃(2023年度1次隊/小学校教育/チュキサカ県スクレ市)

本多 秀之(2023年度1次隊/体育/チュキサカ県スクレ市)

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