JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#196【特別編⑱】あなたにとってJICA海外協力隊とは?【小学校教育/重松】

Q.まずは自己紹介をお願いします。

みなさん、こんにちは。ボリビアのラパスで小学校教育の分野で活動している重松雅博です。日本では10年間、公立小学校の教員として勤務していました。今回は「自己啓発休業」という休職制度を利用し、日本の職場に籍を置いたまま参加しています。

現在は、ラパス市の小学校で子どもたちの算数の学力向上のための取組を行ったり、先生たちの指導力向上のために研修を行ったりしています。

Q.あなたにとってJICA海外協力隊とは?

『13年越しの挑戦』

この問いを聞いて、真っ先に浮かんだ言葉でした。

私がJICA海外協力隊に興味を持ったのは、教員養成大学に通っていた20歳の頃です(現在33歳)。 もともと海外に興味があり、「教育」と「海外」を掛け合わせたら面白そうだな、と感じたのが最初のきっかけでした。

当時から周囲の友人には、

「いつか海外で先生をする!」

と話していました。 本当にやりたいことは、周りに言って退路を断つタイプです(笑)。

大学卒業後、小学校教員になりました。

初任校は全校児童120人ほどの小さな学校。そこには、中国、インドネシア、韓国、ネパール、ナイジェリア、シリアなど、さまざまな国にルーツを持つ子どもたちが在籍していました。

そして、その学校にはJICA海外協力隊を経験した先生もいました。

先生たちから聞く海外での2年間の話は、刺激的で、私はいつもワクワクしながら話を聞いていました。

そんな中で知ったのが、「現職教員特別参加制度」。 職場に籍を置いたまま協力隊に参加できる制度です。

3年間勤務すれば応募できる」

そう聞いた私は、「3年後に挑戦しよう」と決めました。

それから3年後。

推薦状を書いてもらうため、校長室へ向かいました。

すると校長先生から返ってきたのは、

「本気か?この間結婚したばかりやろ」

という言葉。

実は、その1週間前に結婚式を挙げたばかりでした。

それでも、妻とも話し合い、「経済的に何とかなるなら挑戦してみよう」という結論に。 校長先生にもその思いを伝え、なんとか推薦状を書いてもらえることになりました。

いよいよだ。

そう思った矢先でした。

教育委員会から届いたのは、「現職教員特別参加制度 廃止」の知らせ。

理由は、教員不足でした。

新婚の状態で無給参加は難しく、その時は断念することになりました。

その後、第1子が生まれ、仕事も忙しくなり、気づけば毎日をこなすだけで精一杯。 協力隊への思いは頭の片隅にありながらも、現実はなかなか動きませんでした。

そして2020年。

COVID-19の流行により、海外へ行くこと自体が難しい時代になります。

それでも、不思議と「協力隊に行きたい」という思いは消えませんでした。

むしろ、行けないからこそ、その思いは大きくなっていった気がします。

同僚や校長先生にも、折に触れて「いつか挑戦したい」という話をしていました。

そして2024年。

現在の職場での勤務も残り2年ほどとなり、

「挑戦するなら今しかない」

そう思い、応募を決意しました。

ただ、その頃には第2子の妊娠も分かっていました。

家族で何度も話し合いました。

仕事も充実していて、任される役割も増えていた時期。 さらに、幼い子どもが2人いる中での2年間の休職。

人生で一番迷った決断だったかもしれません。

それでも、

「やらずに後悔する道は選びたくない」

その思いが、最後に背中を押してくれました。

今回は「現職教員特別参加制度」ではなく、「自己啓発休業制度」を利用しての参加です。

202411月に合格。20254月に訓練所へ入所。そして20257月末、ボリビアへ来ました。

正直、もっと若いうちに来られていたら、と思うこともあります。

でも、10年以上思い続けてきた今だからこそ、見える景色や感じることもあると思っています。

ここまで来られたのは、妻や義両親、母や兄家族など、多くの人の支えがあったからです。 また、8年前に他界した父の存在も、自分にとって大きかったと感じています。

父の死をきっかけに、「人生は一度きりなんだ」と強く意識するようになりました。

周りへの感謝を忘れず、残り10か月の活動も、一歩ずつ大切に取り組んでいきたいと思います。

それでは、またお会いしましょう。お元気で。Nos vemos!

文責 重松 雅博(2025年度1次隊/小学校教育/ラパス県ラパス市)

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