JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#223 配属先での研修会実施までの道のり【保健師/岩崎】

Hola!こんにちは。保健師隊員の岩崎です。

皆さん、自分の配属先で研修会を企画・実施したことはありますか?

経験のある隊員さんなら、「わかる!」と頷いてもらえるかもしれません。

今回は、私が配属先で他の任地で活動する協力隊員さんを招いて研修会を開催するまでに経験した、ちょっとした(いや、かなりの?)苦労話をお届けしたいと思います。

写真2-2.png

私の配属先は、日本でいう県庁のような行政機関で、市民の健康全般を支援しています。

ある日、配属先から「医療従事者向けに妊産婦に関する研修を実施したい。JICAのボランティアに講師をお願いできない?」と相談がありました。

すぐにボランティア調整員さんにも相談し、約2か月後の開催に向けて準備をスタート。

隊員の選定や日程調整などを進めていきましたが、ここはボリビア。

日本のようには、なかなか思いどおりには進みませんでした。

第一の壁 「軽食は誰が準備する?」

ボリビアでは、研修中にジュースやお菓子などの軽食を用意するのが一般的です。そのため配属先からは、「軽食もJICAで準備してほしい」と相談がありました。

日本では参加費を払って研修を受けることもありますが、こちらでは軽食やプレゼントを用意して参加者を集める文化があります。「軽食がなくてもいいのでは?」と思うような場面は多々ありますが、軽食は研修の一部のよう。JICAにはそのための予算がないため、調整員さんにも間に入っていただき、最終的には配属先で準備してもらうことになりました。

さらに、予算の都合から対象者も医療従事者から妊婦さん・お母さんへ変更することになり、文化の違いを最初に実感した出来事でした。

第二の壁 「本当に開催されるの?」

ボリビアでは、物事が直前に決まることが本当に多いです。

明日の予定が今日変わることもあれば、「明日やろう!」と急に決まることも珍しくありません。

一方で、私たちJICA隊員には、スペイン語での資料作成、発表練習、時間配分の確認、遠方から来る隊員の飛行機予約など、事前に準備しなければならないことがたくさんあります。

特に今回は、他県から飛行機で来てもらう隊員さんもいたため、日程は簡単に変更できないということを何度も説明する必要がありました。本当に開催するのかな・・・と開催日が近づくまで、どこか落ち着かない毎日だったのが懐かしいです。

第三の壁 「出張依頼書がもらえない!」

他の隊員さんに来てもらうためには、配属先から正式な出張依頼書を1か月前までに発行してもらう必要があります。

しかし、普段から書類は直前に作成することが多い配属先。「まだ先だから」「明日やるよ」と言われ続け、気づけば締め切り間近に。

何度も声をかけ続け、ようやく書類を受け取れたときは、喜ばずにはいられないくらい本当に安心しました。

第四の壁 「当日も予定どおりには進まない」

ようやく迎えた研修当日。これで一安心・・とはなりません。

「このテーマも追加しよう」「カナのパートは20分でお願い」と、当日プログラムが変更に。

さらに、開始予定時刻になっても参加者が集まらないのがボリビア。

予定より遅れてスタートし、その場で時間配分を調整、他の隊員さんとも相談しながら、なんとか研修を終えることができました。計画どおりに進める力よりも、その場で柔軟に対応する力が試された一日だったと感じています。

実施して気付いた、日本とボリビア、それぞれの良さ

今回の研修を通して改めて感じたのは、日本の「相手を尊重する文化」の素晴らしさです。

時間を守ること、事前に丁寧に準備をすること、参加者が満足できるように計画を立てること。

どれも、「相手を大切に思う気持ち」があるからこそ生まれるものなのだと感じました。

一方で、ボリビアにはボリビアの魅力があります。

予定変更にも動じない柔軟さ、研修中に積極的に質問を投げかける姿勢、参加者同士が自然に意見を交わす雰囲気 。その場の状況に合わせて進めていく力は、日本にはない大きな強みだと思います。

だからこそ、どちらが良い・悪いではありません。

日本の計画性と、ボリビアの柔軟性。

両方の良さを取り入れた研修ができたら、もっと学びの深い場になるのではないかと思いました。

準備は想像以上に大変でしたが、他の隊員さんと協力しながら一つの研修を形にできたことは、私にとって大きな経験になりました。

研修を開催するという一つの出来事の裏側には、こんなにも多くの壁があります。

正直、「もう一回同じことをやって」と言われたら、少しためらってしまうかもしれません(笑)

それでも、この経験はボリビアだからこそ得られた貴重な財産です。

思いどおりに進まない環境の中で身についた柔軟さや粘り強さを、これから先も大切にしていきたいと思います。

文責 岩崎 加奈(2024年度2次隊/保健師/タリハ県タリハ市)

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ