JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#20 「障害児・者の食生活改善」について栄養士隊員で講演会を行いました!@タリハ

 Hola, ¿cómo están? (こんにちは、お元気ですか?)
 4月21日にタリハで、タリハ県社会管理局の施設職員および保護者に対して「障害児・者の食生活改善」について様々な分野で活動する栄養士隊員の知識や経験をもとに講演会を行いました。

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 まず初めに、子どもの頃から健康的な食事をとる大切さや、食べ物の選び方・食行動にはいろいろな要因が関わっていることについて、保健・栄養分野における概念や日本の研究を用いて話をしました。
 今回は、バックグラウンドの異なる栄養士がそれぞれのテーマを担当したことで、参加者もさまざまな視点から学べたと思います。私自身、初めて研修の企画運営に関わりましたが、5人の栄養士隊員で協力して実施できたことはとても良い経験になりました。

 次に、「どのように、何を、どれくらい食べるべきか」というテーマで講話を行いました。
 障害児・者の食事の困りごとを話し合うグループワークも取り入れ、参加者一人ひとりと直接対話できる場を設けました。健康な食事を食べてもらいたくても、障害のためうまく食べられない現状を共有し、15分間のグループワークは予想以上に大盛況でした。
 
食事量は実際のプレートを見せたり、手を使って量を測る方法を紹介し、参加者も自分の手を確認しながら学んでいました。
 
一食に三色食品群を揃えることや適量についても理解を深めていただけたと思います。

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 続いて、食育について説明しました。ボリビアでは、日本のように学校に栄養士が配置されていないため、食育はあまり一般的ではありません。そうした状況の中でも子どもたちの将来の健康のためにできることを提案したいと思い、活動先であるサンタクルスの学校での実践例や、日本で取り組まれている食育のアイディアを紹介しました。参加者は熱心に耳を傾けてくださり、関心の高さがうかがえました。

 さらに私のパートでは、「障害児に対する具体的な摂食指導方法」について実演も交え、話をしました。
知的・肢体不自由・難聴・弱視障害と様々な障害に対し、起こりうる食に関する課題と、それに対する具体的な摂食指導法について説明を行いました。
 
実際にデモンストレーションを行うことも多かったため「具体例を多く知ることが出来た。今後の摂食指導に役立てたい。」といったコメント等も多く寄せられました。

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 最後は、障害児・者の咀嚼と嚥下機能に適応した食事方法について説明しました。
 噛む・飲み込む力が弱い場合、食事を残してしまったり、柔らかいものばかり食べるようになってしまいます。そこで、日本の多くの病院で取り入れられている刻み食嚥下食について説明しました。発表中には、他4人の栄養士隊員に協力してもらい実演も取り入れました。
 
とても緊張しましたが、参加者の皆さんは最後まで興味津々に話を聞いて下さったので嬉しかったです。

松永 瑞希(2023年度3次隊/栄養士サンタクルス県モンテロ市)
近藤 真美(2023年度4次隊/栄養士サンタクルス県サンタクルス市)
布川 理紗子2024年度1次隊栄養士サンタクルス県オキナワ市)
荻原 健吾(2024年度1次隊/栄養士タリハ県タリハ市)
種瀬 柚季2024年度2次隊栄養士サンタクルス県サマイパタ市)

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