JICA海外協力隊の世界日記

ボリビア便り

#252 初挑戦、伝統芸能「狂言」 in 日本フェリア【野菜栽培/柄澤】

私の任地コチャバンバでは、年に一度日系会が主催の日本フェスタが開催されます。

このイベントでは、日本文化の紹介や体験、武道や歌の披露、そして日本食を楽しむことができ、多くのボリビア人がそれらを楽しみに来場します。

協力隊員は毎年このイベントのお手伝いをしています。私は今回初めての参加で、また日本の伝統芸能「狂言」を他の隊員、ボリビア人と一緒に演じました。

狂言は、中世に今の形が完成したと言われていて、言葉やしぐさによってすべてを表現する喜劇です。なのでセリフ以外にも、戸を開ける音や紐で縛る音も声で表現しなくてはなりません。また、表情や動きを大げさに行うことで観客の笑いを誘います。

学生の頃、社会科の校外学習で見たことがありましたが、それきりであまり馴染みのないものでした。今回演じた作品は「棒縛り」というもので、主人の留守の際に酒樽の酒を盗み飲みする召使2人が、手を縛られながらも知恵を絞ってどうにかしてその酒を飲もうとする内容です。私は酒があまり飲めないですが酒好きの役でした。

初めて台本に目を通すと、聞き慣れない日本語や歌があり、なかなかセリフが頭に入ってきません。また最初の頃は演じることに恥ずかしさがあり、表情を大げさに表現するのに少し抵抗がありましたが、ボリビア人相手に日本語で演じるため何よりも演技が一番大切でした。共演したボリビア人の方は私よりもセリフが長く難しい言葉もたくさんある中で、週を重ねるごとに上達していました。その姿を見て自分も頑張らねばという気持ちになり、徐々に稽古へ身が入っていきました。

2カ月半の稽古を経て迎えた本番、好評だったと思います。稽古中はボリビア人にウケるのか不安がありましたが、当日は観客席から笑い声が聞こえました。たとえ言葉が理解できていなくても、その世界観に魅了されていたのではないかと思います。観客の人たちが興味深い顔で見ていたのが嬉しかったです。

まさかボリビアで狂言を演じるとは思っていませんでした。ですが、やってみて良かったです。ボリビアの人たちに日本文化を知ってもらう機会になったと思いますが、私自身が母国の文化について改めて知る機会にもなりました。当日は多くの人で賑わっていました。習字、折り紙、紙芝居、着付けなど、日本の文化が現地の人たちに受け入れてもらえて、少し安心しました。

海外に住んでから日本のことがさらに好きになりました。今まで見たことなかった角度から日本を見れているんだと思います。これからもたくさんのボリビア人に日本のいいところを知ってほしいし、伝えられることは惜しみなく伝えていきたいです。

文責 柄澤 広輝(2025年度1次隊/野菜栽培/コチャバンバ県ティキパヤ市)

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