JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

井戸水シャワーで虫を浴びる朝、気づいた異文化理解のおもしろさ

សូមជំរាបសួរអ្នកទាំងអស់គ្នា!(ソーム チョムリアップ スオ ネアッ テアンオックニア!)みなさんこんにちは!私はJICAカンボジア事務所でNGO-JICA​​ジャパンデスク(以下NGOデスク)を担当しています。

NGOデスクでは、日本の学生のスタディツアーの受け入れも行っています。夏休みにあたる7.8月には多くの日本の高校生や大学生がカンボジアを訪れます。その中で、ある学生から「国際協力や異文化理解で大切なことは何か?」という質問をいただいたことがあります。

この質問には様々な答えがあると思いますが、私は「その国の人と同じ言語を話し、同じ釜の飯を食べ、一緒に生活し、一緒に寝ること」だと思います。

言葉が通じなくても笑顔と根性で乗り切れるところはたくさんありますが、やはり現地の言葉がわかると見える世界ががらりと変わりますし、現地の人々の自分に対する接し方も変わります。

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(クメール語表記の食堂メニュー)

私は学生の頃に、カンボジアの田舎の村で2か月ほど住み込み生活をさせてもらいました。高床式の木造のおうちで、もちろんエアコン、水洗トイレ、シャワーなどはありません。村人の生活は朝早く、5時から牛のための草刈りや畑仕事が始まります。

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朝から汗をかいたら井戸水をくみ上げて水を浴びます。すくい上げた水には虫がたくさん浮いていますが、そんなのお構いなしに頭からかぶります。ドライヤーはないので、髪に絡まった虫さんごと自然乾燥させます。

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(田舎の一般的な家庭のバスルーム。貯めた井戸水をすくって水を浴びます)

ご飯はもちろん、カンボジアの田舎料理だけです。カンボジア料理の定番と言われるアモック、ロックラック…そんな洒落たものは出てきません。川魚をぶつ切りにして香草と煮込んだ酸っぱいスープ、鶏を頭ごと使ったお粥、スイカを白米に乗っけて食べる、時にはネズミや蛇なんかも食卓に並びます。寝るときは、蚊が多いのでカヤの中に入り、床にゴザを敷いて寝ます。

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私にとって、自然と共存する村人の生活はすべてが新鮮で刺激的で楽しく、全く苦に感じませんでした。そんな生活を送っているうちに現地の方々から私のことを村の、そして家族の一員だと言ってもらえるようになりました。その時感じた嬉しさと温かい気持ちは今でも忘れられません。この経験があるからこそ、私のカンボジアに対する想いは特別なものになっています。

外国語を学ぶことも、日本と全く違う生活を受け入れることも、決して容易ではありませんが、そこから得たこと、経験したことは自分の自信にもつながると思っています。

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(豚の頭を洗うお手伝いをする子ども)


スタディツアーでは協力隊員の活動現場(小学校など)の訪問も大変人気です。現地の人々と同じ言語を話し、同じご飯を食べ、同じ職場で一生懸命に働く隊員の姿に心を動かされる日本の学生も多いのではないでしょうか。スタディツアーを通して一人でも多くの日本の学生がカンボジアの魅力を知り、カンボジアを好きになっていただけたら嬉しいです。

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(沖縄県の中高生のスタディツアーの様子)

優しくおっとりした性格の中にもたくましさを兼ね備えたカンボジアの人々に支えられて、今の私があります。これからも、この素敵な国のために何か少しでも力になれるよう、いつも感謝の気持ちを忘れずに、カンボジア人とともに、毎日サバイサバイ(楽しい)な日々を送りたいと思います!

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NGO-JICAジャパンデスク 上原 風香

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