JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

Royal University of Phnom Penh (RUPP) 王立プノンペン大学 x 外国語学部 x 日本語学科

【王立プノンペン大学外国語学部日本語学科 & CJCC】

カンボジアの首都プノンペンに位置する王立プノンペン大学(RUPP)は、国内で最も歴史があり、最大規模を誇る国立総合大学です。カンボジアの発展を担うエリートが集まる最高学府として揺るぎない地位を築いています。

現在、大学には理学部、社会科学・人文科学部、工学部、教育学部、開発学部の5学部(Faculty)があり、さらに, 学部とは別に研究所(Institute)として、外国語学部(IFL : Institute of Foreign Languages)と、国際学部・公共政策学部の二つがあります。IFLには、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、タイ語の6カ国語の学科があります。

学生数は現在、学部生と大学院生を合わせて約3万人に達するマンモス大学です。構成は、朝、昼、夜間と三部制に分かれているため、朝の7時半から夜の8時半まで常に学生で賑わっています。広大な敷地なので、朝早くからジョギングをしている人をよく見かけます。

日本との関わりも深く、キャンパス内には「カンボジア日本人材開発センター(CJCC:Cambodia-Japan Cooperation Center)」があり、日本語教育や文化交流の拠点となっています。CJCCは、日本の政府開発援助(ODA)の一つである「無償資金協力」によって建設資金が提供され、 2005年11月に建物が完成しました。現在王立プノンペン大学の一部門という位置付けになっています。しかし、実際の運営面ではJICA国際交流基金(JF)、カンボジア政府が協力して支援を続けており、日本とカンボジアの共同プロジェクトとして活動しています。

【日本語学科校舎(J棟)】

私はIFLの日本語学科で日本語教師として活動しています。 教室は「J棟」にあります。 実はこの「J棟」、カンボジアの教育支援を長年続けた日本人実業家の加藤重和氏による多大な寄付で、2016年に建設されたものです。RUPP日本語学科創設時は、志望者の急増により深刻な「教室不足」に直面していました。他学科の教室を借りるなど、不安定な学習環境が続く中、当時の学科長であったレスミー先生は、学生たちのために専用の校舎を建てるという夢を抱いていました。その窮状を知った加藤氏が、学生たちの未来のためにと建設費を全額支援したことで実現しました。

【さくらキャラバン:日本語・日本文化普及キャラバン】

日本語学科の年間イベンはいくつかありますが、この「さくらキャラバン」が何と言っても一番大切なイベントと言えるでしょう。これは、プノンペン近郊の高校、そして地方の高校を巡って、日本の文化や日本語を紹介するイベントです。プログラムとして、日本語会話体験、日本語クイズ大会、けん玉、兜作成(折り紙)などをしていますが、一番人気はやはり浴衣体験です。人数に限りがありますが、浴衣を着てのファッションショーはいつも大盛り上がりです。もちろん、プノンペン大学日本語学科の紹介も忘れてはいません。このイベントを通して、将来日本語学科に進学したいと思う高校生を一人でも増やすことも目的のひとつです。2025年は、近郊・地方合わせて6校の高校を訪問しました。

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【イオン1% 日本語スピーチコンテスト】

カンボジア国内では、年にいくつかの日本語スピーチ大会が開催されます。その一つはイオンが主催する「イオン1%・日本語スピーチコンテスト」です。 昨年の12月5日に本大学内で開催されました。一次予選(動画による「1分のスピーチ」)で選考された7名が参加しました。この大会に向け、約1ヶ月半、週に2回(1回につき1時間)、7名を個別に指導しました。みんながしっかり練習を積んでくれたおかげで、どの学生も優劣つけがたいほどに上達しました。最優秀賞、準優秀賞の2名は、今年の2月に開催される東京大会に参加が決まっています。東京大会には、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、そしてカンボジアの5カ国の代表者(各2名)が参加します。

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【卒業論文(4年生)】

日本語学科の卒業には「卒業論文」が必須となっています。 4年生になると、「日本語教育コース」と「ビジネスコース」の二つのコースに分かれます。私は「日本語教育コース」の卒論をサポートしました。主任教授は、元日本語学科学科長、現外国語学部副学部長のレスミー先生です。学生は1年かけて卒論を準備するのですが、結局は最後の2~3ヶ月になって慌てるのは、日本の大学でも同じではないでしょうか。それも、母語でない言語で書くのですから大変なことは想像に難くありません。私も、週末に学生にコーヒーショップに呼ばれてサポートしました。テーマは様々、「漢字の効果的な指導方法」とか「会話授業におけるロールプレイの重要性」。。。。この写真は、卒論の発表が終わり、ホットした表情の学生達です。

★レスミー先生は、RUPP日本語学科一期生の卒業生です。女性の学生は一人だけだったそうです。

IMG_2025-10-05-16-16-35-718.jpg【RUPP日本語学科20周年記念式典】

1965年に、ラオス・カンボジア・マレーシア・フィリピン・ケニアの5か国に29名を派遣したところから始まったJICA海外協力隊は、2025年で60周年を迎えました。 各国で式典が開催されたようですが、カンボジアでは、私が活動するRUPPキャンパス内にあるCJCC絆ホールで式典が開催されました。 

そして、実は、2025年はJICA日本語学科20周年の年でもありました。その式典がJ棟4階のホールで開催されました。準備から運営まで、すべて学生達が自ら手がけました。いつも日本語学科に経済的な支援をしてくださっている企業・団体の皆様、日本大使館、国際交流基金、そしてJICAからも来賓の方が沢山お見えになり盛大な式典になりました。今後の日本語学科のますますの発展を願っています。(上の写真は 日本語学科20周年記念式典)

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★★★授業風景

私は2025年5月にRUPPに派遣され、6月から授業を担当していました。私の初めての担当クラスは1年生の後期授業で、科目は「日本語会話」でした。午前のクラスと午後のクラスをそれぞれ一つずつ、合計2クラス(週に2回の授業)を担当しました。1年生なので、まだ日本語がそれほど上手ではなく、私のクメール語はそれ以上に下手くそなので、正直、授業ではかなり苦労しました。クラスの中に大学入学前に日本語を勉強していた学生が数名いたので、時には彼らに通訳をお願いしたり、時には英語を混ぜながら なんとか無事終了することが出来ました。

★上の写真は、JICA隊員(全部で3名)が、私の授業に見学・応援に来てくれた時の写真です。(1年生午後クラス)

★下の写真は、後期授業がそろそろ終わりかけの頃に撮った1枚です。この頃には、学生ともかなり親しくなれました。(1年生午前クラス)

★余談ですが、プノンペンの学生はみんな英語が上手です。 高校卒業したての学生でも、ほとんどの学生は簡単な英語が話せます。 日本の高校生はどうでしょうか・・・・ 

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【おわりに】

最後になりましたが、私のプライベートの一部を紹介します。住居は大学から約1キロ離れた高層アパートの13階に住んでいます。大学の近くなので、近所に市場・お店・コンビニ・屋台・食堂と何でもそろっていて何も不自由はありません。原則、自炊していますが、元々料理は好きでもないし、上手でもないので、レパートリーは二つだけ。カレーか野菜炒めです。プノンペンでは日本の食材はほぼすべて手に入ります。(少々 お高めですが。)時には、近くの屋台で適当に買って食べたりもします。私は赴任当初から屋台食やローカル食堂の食事も全然平気で、おかげさまでお腹を壊したことは一度もありません。(あくまで自己責任で食べてください。 笑)何を食べても美味しいです。

趣味はジョギングです。先ほど紹介したように大学キャンパス内を走ったり、気が向いた時は、ちょっと遠い川沿い(メコン川)まで走ったりしています。川添いはきれいな遊歩道になっていて、また、近くに王宮があるせいか比較的きれいに整備されています。昨年12月には、シェムリアップで開催された「アンコールワット国際ハーフマラソン」に参加してきました。もっとアンコールワットの間近を走る事が出来るのかと期待していましたが、結局、ほとんど見ることも出来ずちょっとがっかりしました。 トホホ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事を通じて、カンボジアと日本の深い絆を感じていただけたなら幸いです。私はカンボジアが大好きです。  

2024年第3次隊 山下りっく

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