JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

見どころ満載、バッタンバン

カンボジアの首都、プノンペン。世界遺産アンコールワットで有名な都市、シェムリアップ。この世界日記の中では他にも個性豊かなカンボジアの町が紹介されてきましたが、今回は私の任地であるバッタンバンについて紹介します。

こちらは私の任地、バッタンバンの象徴的モニュメントである、「タードンボーン」さん。直訳すると、棒おじさんと言う名前の彼ですが、かつてカンボジアにいた将軍が、この地に来た際に棒を落としてしまったという逸話にもとづいています。「失う(バッ)棒(ドンボーン)」で、バッドンボン。なぜかカタカナで地名を書くとバッタンバンと表記されますが、不思議な地名の由来はここからきています。フォトスポットとしても大人気で、毎日トゥクトゥクが外国人観光客を乗せてここを訪れます。カンボジアの人々もお参りする場です。私の活動先はこの像の目の前の小学校なので、毎日彼に見守られながら活動をしています。

人口第2の都市と言われているバッタンバンですが、日本にいる知り合いで知ってる!と言う人には出会ったことがありません。しかし、観光地として、実は今紹介したように密かに人気がある町なのです。

それというのも、東南アジアを周遊するバックパッカーや、バカンスに来る観光客にとって便利な立地だからでしょう。観光都市シェムリアップ、そして隣国タイまで車で約3時間程度で移動できるので、町中では大きなバッグを担いだ旅行者や大きな観光バスをよく見かけます。外国人観光客向けのレストランも多く、なんと日本食も食べられます。

街には昔ながらのフレンチコロニアル様式の建物が数多く残っていて、最近整備された川沿いの公園も夜になると人が沢山集まる憩いの場です。

バッタンバンを知っているよ!という方の中には、竹トロッコを真っ先に連想する方もいるのではないでしょうか。竹トロッコとはそのまま名前の通り、竹で組まれたトロッコのこと。竹の床板の上に動力のエンジンを積んで、取り外し可能な車輪の上に乗せるだけの簡単な作りです。それを線路の上に乗せ、現地の人が物資や人の運搬に使ったのが始まりだそうですが、なんとこの線路は現役で使われているものだったりします。

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バッタンバンに配属されてから何回か乗りましたが、何度乗っても面白いです。何も遮るものが無い青空の下、ガタンガタンと線路の連結部で揺れる度にスリルを味わえます。1路線しかないため、前から折り返しの別のトロッコと鉢合わせする時もあるのが醍醐味の1つ。そんな時には、どちらかのトロッコを線路から降ろします。乗客も降りて、炎天下の中線路脇で待つ。すれ違ったらまた線路に車輪を戻し、床板を乗せ、乗客が乗りエンジンをかけ再出発。しばらく行くと牛が線路に侵入している。待つ。また別のトロッコに出会う…。目の前に広がる青空と果てない田園風景を眺めながら、カンボジアならではのゆっくりとした時間の流れと解放感を感じることができるので、私は竹トロッコが大好きです。

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他にも見どころは沢山あります。何万匹ものコウモリが夕方一斉に飛び立ち、竜のように空に黒い列を作るプノムサンパウ、頂上からの美しい景色と対比するかのように悲しい歴史をもつキリングケイプ。米処として有名なバッタンバンはご飯も美味しく、手作りでライスぺーパーを作っている村もあります。来るまでは知らなかったことばかりでした。そして、この街に14カ月住んでみて、全てお勧めしたい場所になりました。

書ききれないほど、良さが満載のバッタンバン。かつての先輩隊員が言っていた、「都会と田舎のちょうど真ん中」という言葉が似合う、住みやすく面白い見どころ満載の町。興味を持たれた方は、ぜひ一度お越しください。

2023年度1次隊 小学校教育 八幡 和子

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