JICA海外協力隊の世界日記

カンボジア便り

~人の輪~

カンボジアで出会った“人”をテーマに現在進行形で続いているカンボジア人と過ごす日々を紹介させていただきます。

最初に紹介する人は、“大家さんファミリー”です。

私はコンポンチュナン州という首都からバスに乗り、1時間半ほどの田舎町で、カンボジア人の大家さんファミリーと生活しています。大家さんには3人の子ども(息子2人、娘1人)がおり、長男夫婦は同じ屋根の下で、次男家族は同じ敷地内の別宅で生活しています。大所帯での暮らしに少し緊張感があった赴任時から、のびのびと過ごす今。目に見える形、見えない形でサポートをし続けてくださる姿に感謝の気持ちでいっぱいです。家族と過ごした1年3ヶ月で特に印象的な体験を2つ話します。

1つ目は、長男夫婦の結婚式に参列させていただいたことです。カンボジアでは、会場を借りて挙式を行う人もいますが、多くのカンボジア人は花嫁もしくは花婿の実家で特設会場を建てて行います。我が家では、前日から特設会場の設営が始まりました。1階が装飾により華やかになっていく過程にワクワクし、職人さんたちの裁縫技術(手作業で飾りを縫い付けている姿)に終始目が釘付けでした。前夜祭の飲み会が深夜まで続いたこともあり、リビングは川の字で眠る親戚で埋め尽くされるという何とも面白い景色が広がっていました。結婚式当日は100人近くの来客があり、忙しなく挨拶に回る大家さんの姿と華やかな伝統衣装を纏った新郎新婦の喜びで満ち溢れた顔が忘れられません。昨年度の乾季は結婚式に7回参列させていただきました。結婚式の慣習は各家庭でそれぞれ異なりとても面白いので、興味のある方はぜひ調べてください。

2つ目は、家族旅行へ同伴させていただいたことです。旅行へは大家さんの長女夫婦、親戚、友人も一緒に行きました。気心の知れた人たちと多人数で出かけることがわりとスタンダードであることに驚きました。みんなで料理を作ったり寺へ行ったりドライブへ出かけたりと短い日数で、濃い時間を過ごしました。また、甕に貯めた水を桶ですくって体を洗い流したり、ござの上で川の字になって寝たりと日常生活では経験できないことを体験できたことも思い出深く心に残っています。

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異文化を知り、価値観の違いを受け入れることは容易いことではありませんが、カンボジアで生活しているからこそ味わうことができる様々な経験の一つ一つが宝物です。大きなイベントは勿論のこと、家族と過ごす何気ない日常を愛おしく感じる今日この頃です。チュナン生活も残すところ3ヶ月。最後の日まで楽しみ尽くそうと思います。

次に紹介する人は“推し活(通称ニコ活)仲間”です。

カンボジアの歌手Nico(本名Sambathputhytoth Nop)のライブやイベントへ足繫く通った結果、ニコ活仲間ができました。ニコ活仲間と同じ熱量で、音を楽しめたことはとても感慨深く、音楽の力の大きさに改めて気付かされました。カンボジアの歌手とファンとの距離感やカンボジア人の推し活に対する考え方など、日本と大きく異なるところがあり、比較や分析をする時間がただただ楽しかったです。国籍や言葉の壁を感じることなく推し活を堪能することができたのは、カンボジア人の国民性によるものなのか、ニコ活仲間の人間性によるものなのか、定かではありませんが、推し活を通してカンボジア人の寛容な心に触れられた瞬間が沢山ありました。素敵な人たちに出会わせてくれたNicoにオークンチュラウン!を届けたいです。

最後に紹介する人は“活動先の子どもたちと教職員”です。

カンボジア生活の中で、最も多くの時間を共有した人たちであり、距離感はもちろんのこと、話す内容や話し方まで試行錯誤しながら向き合いました。カンボジアへは活動をしに来たと言っても過言ではないくらい、小学校での活動に重きを置いていたので、その活動先で関わる人たちとの思い出は数知れないほどあります。他愛のないやり取りも写真や動画を見返すと鮮明に思い出します。日本へ帰国し、日本の小学校で働く中で、カンボジアの小学校の児童や先生方との思い出が脳裏をよぎるのは今から容易に想像できます。日本とカンボジアの配属先が繋がる日が待ち遠しいです。

カンボジアで関わった人たちとの素敵なエピソードが、多くの隊員によって紹介されているので、ぜひ!世界日記をご覧くださ~い!

2023年度1次隊 小学校教育 八木 萌子

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